ガンピーさんが小舟で出かけると、途中で子供たち、うさぎ、ねこ、犬、ぶた、ひつじ、にわとり、子牛、やぎが次々と乗り込んできます。子供たちには「けんかさえしなけりゃね」、うさぎには「飛んだり跳ねたりしなけりゃね」、ねこには「うさぎを追い回したりしなけりゃね」…とそれぞれ条件を伝えるのですが、その条件って実は彼らの本能そのもの。みんなが乗り込んでしばらくすると、みんなはいつもの自分たちに戻ってしまい……。
やさしく何でも受け入れるガンピーさんのキャラクターが魅力的。川くだりという英国的な田園の楽しみ方にも惹かれました。どんどん動物たちが乗り込んで小舟が狭くなっていく情景は「てぶくろ」を思い出したけれど、この作品のよさはむしろ劇的な変化よりもゆったり流れる午後の平穏さとそこにたたずむ主人公たちかな。
動物たちが登場する場面は右ページが彼らのポートレートになっていて、特に小さな子供たちを魅了することでしょう。(娘もこの右ページいっぱいに描かれた動物が大好き。)最後の方にアフタヌーンティーの場面が描かれているのですが、ほのぼのしていていいなー。テーブルの上のケーキ、いつかこれを焼いてうちでもアフタヌーンティーを楽しみたいなと思ったのでした。