森で静かに暮らしていたフクロウが
初めて見るけしき
初めて聞くおと
初めて会うにんげん
純粋なまん丸の目で見つめるその世界が
どうかフクロウを傷つけませんように!
鼓動が早まり、祈る気持ちでページをめくりました。
絵はくっきりと丁寧に描かれていて、
文章は全てひらがなとカタカナで書かれています。
終始穏やかに語られる物語は、読み終わってからも
私の心に静かな余韻を残しました。
自分よりも大きな力を前にしてもフクロウは何も語りません。
全てを見つめる目は力強く、
運命に身を任せながらしなやかに羽ばたきます。
都市の豊かな暮らし、イルミネーションの人工的な美しさ、手放せない機械の便利さ。
ただ、人間が歩きやすいよう敷き詰められたそのコンクリートの下には、
小さな生き物のお家があったはずです。
2020年に実際にあった出来事を書いたこの絵本を手に取って、我が子に何かを感じて欲しい。
成長する子どもの側に置いておきたい1冊です。