第2次世界大戦が終結後に書かれた、平和への願いをこめた作品です。
それから80年経って、人間はなんと愚かな事を繰り返しているのだろうと痛感させられる内容です。
戦争の犠牲者は、子どもたちや老人や弱い人たちだと本は語ります。
子どもたちを護るために、全世界の動物たちが集結して平和のための会議を開くというお話です。
この本で護られたはずの子どもたちが大人になって、同じことを繰り返しているような気がします。
軍人たちを丸裸にしてしまう蛾の活躍が印象的でした。
動物たちが調印した5項目の条約に考えさせられました。
訳者が「子どもたちのために」と加えた後書きの中で、ジョン・レノンの「イマジン」が紹介されていることに合点が行きました。
動物たちが平和のために決起したという、滑稽で辛辣なお話ではあります。
でも、持続可能な世界を想像するために、このような飛躍があっても良いと思います。
すべては、戦後80年経っても何も変えられない人間の方に問題があるということでしょうか。
間違いなく平和を考えるための本です。