表紙絵に言いようもない懐かしさを覚えました。
むかしむかし、はるか遠くの国のおはなし。
の、書き出しで始まるこの作品。
とってもクリスマスにふさわしい素敵なお話でした。
遠い昔に眠らせてしまっっていた私の子供心を起こしてくれるような、読んでいる自分がしっかり子どもの頃の無我夢中さで、お話の中に入り込んでしまっていました。
人形作りのベーチャさん。
木製の素晴らしい人形を作ります。
心を込めて削られ彫られた人形は、喜怒哀楽の感情を持ついわばハートのある人形ばかり。
そんな人形を連れて毎年クリスマスに人形芝居を、町の子どもたちに広場で披露していたベーチャさんなのですが、今年は病気になってしまい行けそうにありません。
がっかりする人形たちの前に、親切な魔法使いが現れ、素敵な呪文をかけてくれました。
夜中の12時まで、手足も口も自由に動かす事ができるようになり人形たちは町の広場へ、・・・。
人形たちだけの人形芝居も楽しいのですが、その後の人形たちの小さな諍いにハラハラさせられ、特別なクリスマスの夜を一緒に過ごした気分になれました。
絵を担当された多彩なミハイロフスカヤさんの作品にもっと出会いたいと思いました。