松谷みよ子さんの「はじめのことば」に感動し、この本をぜひ娘のために読んであげたいと思いました。
「むかしむかし、と物語のとびらをあけるとき、そこには無限の世界がひらかれます。昔話は、子どもたちを異界へ連れて行きます。水底の世界、地の底の世界、天上の世界、そこでは小鳥は犬や猫とも自由に話せます。子どもたちの心は、解き放たれ、未知の世界へ旅立つ勇気がわいてくるのです。」
このことばをしっかりと胸に刻み、本を開くと、子どもの頃から聞き慣れていたお話でも、なんだか初めて出会う物語のように、新鮮な気持ちで昔話を楽しむことができました。
日本のお話は、民話の語りべ調のことばでつづられているものも多く、昔話の魅力を存分に味わえます。さらに特筆すべきは、絵の力です。こんなに素晴らしい挿絵で、世界各国の昔話を楽しめる現代の子どもたちもまたしあわせですね。私と娘が好きな画家の絵も数多く含まれていて、とてもうれしくなりました。飯野和好、村上勉、宮本忠夫、降矢奈々、荒井良二、さとうわきこ、こみねゆら、広野多珂子、黒井健、などなど。
どのお話も絵も、本当に心から楽しめるものばかりです。