数々の問題作品を出したトミー・ウンゲラーの最終作品は、なんとも意味深い作品でした。
この世の最終章を暗示するようで、タイトルからつなげるならば、「やばい作品」です。
人々が月に逃げた後の地球は、破滅の道を突き進んで行きます。
取り残された人間は、生き残りの道を探し続けるのみです。
途中でノアの方舟を暗示させる場面がありますが、新世界に漂着することもなく壊れてしまいます。
自分の力で走り続けるしかないのです。
最後に救いのもののようなものが描かれていますが、道のりはとても、危うくて長いものでした。
絶望してはいけないと、願いをこめた作品でした。