現在放映中のNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」は
江戸時代中期に活躍した版元の蔦屋重三郎を描いた物語で、
彼が関わった浮世絵師喜多川歌麿なども登場し、
江戸時代の華やかな浮世絵文化が興味深く描かれています。
ドラマのオープニングクレジットにさまざまな浮世絵が使われていて、
中にはこの絵本『さがしえほん こわい浮世絵おばけやしき』で紹介されているような
妖怪やおばけもあったりします。
浮世絵というと歌麿の「美人画」や東洲斎写楽の「役者絵」、
あるいは葛飾北斎の「冨獄三十六景」などがすぐに頭に浮かびますが、
実はそれだけでこの絵本に紹介されているように「こわい浮世絵」もたくさんあります。
この絵本は浮世絵専門美術館として有名な「太田記念美術館」が解説・監修をしていて、
子供だけでなく大人も楽しめる(勉強できる)ようにできています。
浮世絵に展開されているおばけや妖怪たちをさがすだけでなく、
浮世絵がどのような手順でできあがっているのかもわかりやすく解説されています。
それにしても江戸時代の人たちは、こんな怖い(ときには面白い)浮世絵を
どのように楽しんだのでしょう。
暑い夏の夕暮れ、縁台で涼みながら、「おい、見てみなよ、怖いだろ」みたいなやりとりがあったのかも。
「美人画」や「役者絵」よりもずっと庶民の暮らしに近かったように思えます。