子供はどうしてこう、働く車が大好きなんでしょう。きっと、ぶるんぶるん動く姿が面白く、かっこいいからなんでしょうね。
今回の主人公はパワーショベルのブルくん。ブルくんの仕事場は鉄道工事現場とあって、電車が登場し、ブルくんと会話を交わすのも子供が好きな理由の1つだと思います。
さて、ブルくんはある日、電車を助ける仕事を終えたと思ったら、自分が土砂崩れで起き上がれなくなってしまいます。そのまま冷たい雪が降って、ブルくんは一人取り残された上に、雪の下に埋もれてしまいます。工事のおじさんは「助けに来るからな」と言い残して帰りましたが、本当に来てくれるのかしら、子供もハラハラしながら読み進めます。おじさんはちゃんと約束どおり、ブルくんを迎えに来てくれますが、そのときにはブルくんはボロボロ……。でも、おじさんたちの修理ですっかり元通りなってまた電車の横で頑張るブルくんに、ほっと満足そうなため息ひとつ。最初はのんびり仕事をするブルくんの姿から始まるのに、文字通り山あり谷ありの、楽しい絵本だと思います。
裏表紙に、パワーショベルの“身体の仕組み”の解説があって、ブルくんがどうやってお仕事するのかが分かる、というオマケ付きで、それもまた楽しいです。