急に寒くなってきたのでこの絵本を読みたくなっているところに、学校の読み聞かせで絵のない「てぶくろをかいに」を読んで頂き、クラスの子供全員がお話に耳を傾け、間違って狐の手の方を帽子屋さんに差し出してしまうシーンでは、みんな肩をすくませて、息を止めて聞いていたのではないかと思うくらいでした。絵のないお話にも想像する力が付いてきているのだなぁと感心しつつ、絵があってもその時の想像力を壊さないような優しいタッチのいもとようこさんの絵のあるこの絵本を読んでみました。柔らかい狐の毛色と暖かい親子のまなこが名作を引き立たせます。無邪気な子狐と子供を全身全霊の愛情でもって見守る母狐とちゃんとしたお金を支払ってくれるお客様には、見合った商品を選んでくれるシャッポやさんのおじさんという人間との心もお手々も温まるお話で是非とも何度も読み、読み継がれていって欲しい1冊です。