ちひろ美術館コレクション絵本シリーズです。
中国の画家のイラストに千葉さんがお話を付けた(?)もしくは、翻訳したようです。(はっきり書かれていないので断言はできません)
出てくる主人公の妖怪は日本のそれと容姿は似ているのに、全く怖くない。むしろ現代の人間より、人間らしい心を持っている不思議な妖怪でした。
舌ながばあさんは文字通り、とっても長い舌を自在に操って、人を脅かしたり人間の顔をなめまわすのが好きな妖怪。しかも自然界のことに精通していて、間違いを犯した人間たちを諭したり、困っている人間たちの力になったりしてくれるお人好し(?)でした。
そして、舌ながばあさんの相棒は巨大な身体、恐ろしい牙を持つ「朱のばん」です。
二人は山に迷ってくる人間を脅かすのが大好きだったのに、最近人間たちが山へやってこなくなりました。
そこで、こちらから脅かしにいってやろうと、人里にやってくると、人間たちが木を切りすぎた為に、山で異変が起き、湖の龍神まで消えてしまって、村では作物が育たなくなり、人々は飢えに飢えていたのでした。
人間たちに懇願されて、舌ながばあさんと朱のばんは、問題解決に大活躍。
キャラクターたちも生き生きしているし、ストーリーも個性的だし、展開も顛末も、すごいなぁと思いました。
日本では初めての絵本だということですが、作家の武建華さん、これからの注目株!です。