「ぼく」がカレーライスをたべたくなって、食べたい気持ちがくんちゃんに伝染し、それはおにくやさん、つけものやさんへとつぎつぎと伝染して、レストランのお客さんもカレーライスを注文し……町中みんなカレーライスが食べたくなっちゃうのです。
読んでいる私たちも、カレーライスが食べたくなっちゃう。
商店街に活気があって、お買い物する人たちがとても楽しそうなんです。
よく見るとなんだか怪しい人やおすもうさんや忍者や天狗までカレーライスを食べています。
忍者や天狗がちゃんと街に溶け込んであたりまえのようにカレーを食べているのがほほえましくて楽しいんです。
それに「ぼく」のパパはダンスの先生らしいんですが、街の中をダンスしながら家まで帰ってきて、道行く人たちはそれをぜんぜん気にしていないおおらかさ。
こんな街、あったらいいなと思います。