絵本を読み終わり、思わず「グーテンベルクさん、万歳!!」と言いたくなりました。「ありがとう、あなたのおかげで本が読める♪」
印刷技術の発明は、歴史を塗り替える偉業です。困難もたくさんあったことでしょう。でもきっと、彼はわくわくしてこの仕事にとりかかっていたに違いない。そして、出来栄えに満足したに違いない。絵本を読み、またグーテンベルクの美しい聖書の写真を見てそう思いました。そして、発明のひらめき、それを形にする技術、職人技、ものを作るときにいかに多くの材料と手順があるか。そんなことが大筋ではありますがわかりました。
印刷技術や本への愛情と尊敬が感じられる丁寧に描かれた美しい造りの絵本ですが、描かれている人物に人間くささやユーモアも感じられ親しみがもてました。訳者である千葉茂樹さんのあとがきの言葉も同感することが多く良かったです。
同じ訳者による「ユーゴ修道士と本を愛しすぎたクマ」(光村教育図書)も併せて読むとより興味深いと思います。こちらは印刷技術がまだなかった時代のお話です。