第27回 日本絵本賞が発表され、『たまごのはなし』(しおたにまみこ 作)が日本絵本賞「大賞」を受賞しました!!
たまご、しおたにさん、おめでとうございます!!パチパチパチ!
そして、応援してくださっている読者の皆さま、書店の皆さま、ありがとうございます!!
『たまごのはなし』は昨年、世界最大規模の絵本原画コンクール、第28回 ブラチスラバ世界絵本原画展で「金牌」も受賞しました!
日本でも、世界でも、高く評価されたしおたにまみこさん、本当に素晴らしいです!!
『たまごのはなし』の主人公は、ある日突然めざめた「たまご」。
初めて動いたり、考えたりするなかで、自分の言葉で話すことを獲得していきます。ちょっとクセの強いたまごが繰り広げる物語は、シュールでユーモアたっぷり。たまごが何気なく発する一言や疑問が、読み手の思考を刺激してくれます。子どもはもちろん、大人も楽しめる作品です。
木炭鉛筆で繊細に描かれた絵にもぜひご注目ください。
しおたにさんの最新のインタビューはこちらからご覧になれます!
▼ほぼ日刊イトイ新聞「へんなたまごが教えてくれたこと。」
https://www.1101.com/n/s/egg_marshmallow/2022-05-16.html
日本絵本賞は、絵本芸術の普及、絵本読書の振興、絵本出版の発展を願って1995年に創設された賞で、 1年間に日本で出版された絵本の中から、特に優れた絵本に「日本絵本賞大賞」が授与されます。
最終選考委員は、作家、画家、絵本研究者、美術評論家などで、「ほんとうに子どもたちに読んでほしい絵本」が選ばれます。
第27回目となる今回は、2021年1月から12月までに刊行された絵本のうち、全国学校図書館協議会で選定した新刊絵本989点から『たまごのはなし』が大賞を受賞しました。
▼第27回の結果はこちら
https://www.j-sla.or.jp/contest/ehon/27.html
みどころ
つるんと白く、見事なフォルム。それは、どこから見ても完璧なたまご。だけど、その体からは、細くて繊細な手足が伸び、何とも言えない目鼻口の表情が浮かびあがっている。そして言うのです。
「やあ、こんにちは。わたしはたまご。
今から、わたしのはなしをするからね。」
一目で心を掴まれてしまった読者に向かって、たまごは、自分が目を覚ました瞬間のことから、はじめて歩き、はじめて話をした時の事を語ります。そして、マシュマロに出会い、巻き込みながら、一緒にキッチンの台を降り、リビングにまで足を運ぶ話へと続きます。
注目の絵本作家、しおたにまみこさんの初めての絵童話。その独特な感性は、絵だけではなく、思考回路にあるのでは……と、改めて驚かずにはいられません。動くこと、話すこと、伝えること、当たり前だと思っていたことに光を当て、会話の中では胸がすくようなことを言い放ち、じっくり考えることで身体のコンディションを整えていく。収録されている3つのお話は、どこを切り取っても不思議で面白く、刺激にあふれているのです。
年齢を問わず、一話ずつゆっくりと。たまご哲学やマシュマロ哲学、味わってみてくださいね。私は「帽子に誰も気が付かなかった話」に大賛同ですね。
この書籍を作った人
1987年、千葉県生まれ。女子美術大学工芸学科卒業。背景美術制作会社勤務を経て、絵本作家となる。はじめて制作した絵本『やねうらおばけ』が、2014年第15回ピンポイント絵本コンペ優秀賞を受賞。繊細な鉛筆画で描き出す独特の世界が、読者を引きつける。作品に『そらからきたこいし』『やねうらべやのおばけ』(ともに偕成社)などがある。東京都在住。