谷川俊太郎さん推薦! 黒い夜の森を捨て、旅に出る動物たち……移民の旅の現実を描くサイレント絵本
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「どーん、じゃんけん」という遊びは、ぼくも子どものころにやったことがありました。地域によって色々な遊び方や呼び方があるようですね。「どんじゃんけん」とか「どんじゃん」とか。丸太の上に登ったり、地面に丸や線を描いてその上でやったりとか。でも二手にわかれて出会ったらじゃんけんするという、大まかなルールはどこも同じみたいです。勝った負けたで一喜一憂し、陣地を取るか取られるかの競争でハラハラドキドキする。「どーん、じゃんけん」という遊びはよくできているなあと感心しました。
自分が定期的に通っている園があって、そこで子どもたちと一緒に、近所の公園へ遊びに行ったんです。何人かの子どもが砂場の木枠の上で「どーん、じゃんけん」をはじめました。懐かしさと興味でしばらく様子を見ていると、どうもぼくの知っているルールと違っていて。
木枠の上で二手にわかれた子どもたちは、それぞれすぐ後ろに繋がって待機して、まるで二匹のイモムシが向かい合っているかのようで。先頭の子がじゃんけんして負けておりてもすぐ後ろに次の子が待機しているので、いつまでたってもなかなか勝負がつきません。それでも子どもたちは押し合いへし合い楽しそうにやっていて。「どーん、じゃんけん」の子どもを虜にするおもしろさはすごいなと、改めて感心させられました。
お話の中で動物たちと出会っていくという絵本の王道展開を初めて描いたので楽しかったです。難しかったのは絵本でじゃんけんをどうやって魅せるかというところ。じゃんけんは[出会う][じゃんけんをする][勝負がつく]という3つの要素で進めていきたかったのですが、そうするとひと勝負に2~3見開き使うことになりどうしてもページをくっちゃう。
なのでいつもは見開きで描くところを分割して描いたりしてなんとかやりくりしました。それでも物語を紡ぐページがどんどん少なくなって大変でした。絵本を読んだあと、この遊びやってみたい!やってみよう!ってなると嬉しいです。