2014年9月。アメリカで20代の女性アーティストが1冊の本を出版しました。“LOST IN TRANSLATION: An Illustrated Compendium of Untranslatable Words from Around the World”。外国で日常的に使われている固有名詞の中で、他国で翻訳することが困難な言葉を世界中から集めた本書は、たちまち、ニューヨークタイムズでベストセラーとなり、世界7か国で翻訳出版されることが決まりました。日本もその中のひとつ。こうして誕生した『翻訳できない世界のことば』(創元社)は、日本でも多くの人々に受け入れられ、たちまちベストセラーとなりました。今回は、新作『誰も知らない世界のことわざ』と合わせて、本書の翻訳、日本語の描き文字を担当した前田まゆみさんにお話を伺いました。前田さんと本書の出会い。前田さんお気に入りの「翻訳できないことば」などを教えていただきました。ぜひ、お楽しみください。
外国語のなかには、他の言語に訳すときに一言では言い表せないような各国固有の言葉が存在する。本書は、この「翻訳できない言葉」を世界中から集め、著者の感性豊かな解説と瀟洒なイラストを添えた世界一ユニークな単語集。言葉の背景にある文化や歴史、そしてコミュニケーションの機微を楽しみながら探究できる。小さなブログ記事が一夜にして世界中へ広まった話題の書。ニューヨークタイムズ・ベストセラー。世界7カ国で刊行予定。
●『翻訳できない世界のことば』とは……。
例えば「バナナを食べるときの所要時間」
例えば「片方の手のひらに乗せられるだけの水の量」
これらを一言で表すことのできる言葉が世界にはあります。そんなほかの国の言葉ではそのニュアンスをうまく表現できない言葉が「翻訳できないことば」です。この本には52もの「翻訳できない世界のことば」が収められています。
もちろん、日本語も!
●『誰も知らない世界のことわざ』とは……。
「さて、羊に戻るとしようか。(JE RETOURNE A MES MOUTONS) 」はフランスのことわざ。
「エビサンドにのってすべっていく。(glida in pa en rakmarka)」はスウェーデンのことわざ。
『誰も知らない世界のことわざ』では、今まで紹介されることの少なかった、世界の面白いことわざとその意味が、イラストと共に載っています。
日本からは「サルも木から落ちる」などが紹介されています。
●著者のエラ・フランシス・サンダースさんから動画が届きました。
それでは次のページから、翻訳者の前田まゆみさんのインタビュー、スタートです。