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お正月が やってくる

お正月が やってくる(ポプラ社)

お正月かざりを売るなおこさん一家の年末年始をとおして、人びとの暮らしに息づくお正月を迎えるよろこびを描いた絵本。

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《スペシャルコンテンツ》インタビュー

2013.01.17

『新世界へ』あべ弘士さんインタビュー

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「ガンに対する思い入れは、動物園の飼育係時代から」

───今回の『新世界へ』では、「カオジロガン」という鳥が主人公になっていますよね。カオジロガンという鳥は、私たちには聞きなれない動物なのですが、なぜカオジロガンを主人公にしてお話を描こうと思ったのですか?

その話をするためには、私の動物園時代の話からしなきゃならないんだけど…。

───ご存知の方も多いかと思いますが、あべさんは北海道の旭山動物園で25年間飼育係として働かれていたんですよね。

はい。動物園の飼育係になって10年くらいたつと、飼育係としてどういうテーマを持って動物を飼育していくか、どの動物の専門知識を身につけたいかを考える時期がやってきます。その時、私がいちばんやりたいと思ったのが、フクロウ、ワシ、タカなど猛禽類、そしてカモやガン、白鳥やシギなどの水禽類だった。当時、猛禽類や水禽類はあまり注目されていなかったんだけど、旭山動物園では猛禽類と水禽類の専用動物舎を作ったりしたんだよ。

───動物園というとパンダやゾウ、コアラなんかが人気ですが、あえて鳥類を選ばれたんですね。

当時、旭山動物園では北海道にいる動物だけで楽しんでもらえる動物園を作ることを目指していたんです。動物園は「地元の動物に対してどう責任を取るか」を考えて、きちっとした研究をして、繁殖をさせて、いつ野生に戻してもいい状態にしておくことが目的であり、役割だと考えたんだ。
例えば、フクロウは日本に10種類ほどいるけれど、私が飼育係のときに旭山動物園では9種類のフクロウの飼育をしていました。

───動物園に研究機関としての役割があったなんて、初めて知りました。

ガンに関しては旭山動物園以外には、仙台の八木山動物園や多摩動物園と一緒に飼育や繁殖の共同研究を行った。僕自身、もともとガンに対して強い思い入れがあったんです。そもそも、ガンは日本人にとってとても身近な鳥なんだよ。

───そうなんですか? スズメやハトだと身近に見るんですが…。

江戸時代から明治、大正にかけて日本にはガンに由来することわざや絵画、小説がたくさん登場するでしょう。浮世絵や日本画のモチーフとしても描かれるし、文章に書いた「さおになり、かぎになり」というフレーズは教科書なんかにも載っていた「雁がわたる」という歌にも使われているね。森鴎外の『雁』に出てくるガンは東京上空を飛んでいく。それから、ガンは食用としても重宝されていて、どうしてもガンを食べたくてたまらなかったお寺のお坊さんたちが、豆腐をガンの肉に似せた「がんもどき」を生み出すぐらい、美味しかったんだって。

───がんもどきにそんな由来があったなんて、知りませんでした。

日本に一番たくさん来るのは「マガン」で、毎年10万羽近くやってくる。その全てが仙台近くの沼に滞在する。毎日10万羽が朝飛び立ち、夕方戻ってくる…研究のために何度も遭遇したけれど、ものすごい迫力。今回、絵本に描いたカオジロガンは、日本に来ない種なので、実物を見たことはなかったんだけど、私が北極に行った時期には子育てのため北極にいるのは知っていたので、会えたらいいな…くらいの期待を持っていた。実際には北極について3、4日目くらいに出会えて、こんなに早く出会えるなんて…とかなり興奮したんだよね。

───そのときから、絵本にしたいと思っていたんですか?

そのときは全然。思ってもいなかった。
旅する時はいつもそうなんだけど、絵本のネタを探すことはほとんどしないんだよ。そう思ってしまうととらわれてしまうので、何も考えずにいた方が、あとで自由な創造が生まれるからね。

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あべ弘士(あべひろし)

  • 1948年北海道に生まれる。1972年から25年間、旭川市の旭山動物園に勤務。自然に対する知識と愛情に裏打ちされた作品は、自由闊達な線と色の魅力、大らかなユーモアによって多くの読者に愛されている。『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞、『ゴリラにっき』で小学館児童出版文化賞、「ハリネズミのプルプル」シリーズで、赤い鳥さし絵賞、『どうぶつゆうびん』で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。そのほかの作品に『ライオンのながいいちにち』『どうぶつさいばん ライオンのしごと』『なめとこ山の熊』『エゾオオカミ物語』『こんちき号北極探検記』などがある。
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