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移動するものたち

移動するものたち(小学館集英社プロダクション)

谷川俊太郎さん推薦! 黒い夜の森を捨て、旅に出る動物たち……移民の旅の現実を描くサイレント絵本

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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  あそびにきてくれました  >  「のれるかな?うかぶかな?」シリーズ石井聖岳さんが遊びに来てくださいました!

森のイスくん』『ぴたっとヤモちゃん』『ワニあなぼこほる』など、ほのぼのとして肩の力が抜けてくるような素敵な作品を次々に創作されている石井聖岳さん。一方で『おこだでませんように』(くすのきしげのり・作)の表紙で描かれた、ぎゅっと口を真一文字に結んだ男の子の顔も印象的ですよね。
そんな石井聖岳さんが出来上がったばかりの新作を持って、絵本ナビに遊びに来てくださいました!

こちらが2冊同時発売の新作『のれるかな?うかぶかな? ふね』『のれるかな?うかぶかな? ききゅう』、石井さん初めてのあかちゃん絵本です。表紙を見ただけでも惹かれますよね!

のれるかな? うかぶかな? ふね
のれるかな? うかぶかな? ふねの試し読みができます!
作:いしい きよたか
出版社:ゴブリン書房

ページをめくると登場するのは、かわいい動物たちと、ちょっとおかしな〈ふね〉〈ききゅう〉。おひざの上で、おふとんの中で、親子でいっしょに「のれるかな? うかぶかな?」。の〜んびり、ふ〜んわり、リズムが楽しいユーモアたっぷりの赤ちゃん絵本です。

のれるかな? うかぶかな? ききゅう
のれるかな? うかぶかな? ききゅうの試し読みができます!
作:いしい きよたか
出版社:ゴブリン書房

ページをめくると登場するのは、かわいい動物たちと、ちょっとおかしな〈ふね〉〈ききゅう〉。おひざの上で、おふとんの中で、親子でいっしょに「のれるかな? うかぶかな?」。の〜んびり、ふ〜んわり、リズムが楽しいユーモアたっぷりの赤ちゃん絵本です。

中を開くとユニークな形の「ふね」や「ききゅう」が次々に登場します。
そして、それに乗った色々な動物たちの嬉しそうなこと!たまらなく可愛いページが目に飛び込んできます。あかちゃん絵本を手がけられたのはどうして?

「最初から考えていたわけではなかったんですよ。動物が船に乗っている絵なんかを色々描いていて。その中の一枚のカエルの絵を見た担当編集の方がすぐに『これであかちゃんの絵本をつくろう!』と言ったんです。あかちゃん絵本は絵のサイズも小さいし、シンプルだからすぐに出来上がるかな、なんて思ったんだけど、全然そんなことなかったです(笑)。」

やっぱり初めての挑戦ということで、すんなり完成!というわけにはいかなかったんですね。

「ストーリーもはじめはもうちょっと複雑だったんです。 船に乗ろうとして失敗して、ひっくり返ったり。でも、どんどんシンプルにしていって。」

完成した内容をみると、これ以上ないくらい文章と絵がぴったり。この2冊、何度も読んでいるのになかなか気がつかなかったんですが、文章がまったく同じなんですね!!
「のれるかな? うかぶかな?」「のれた! うかんだ!」の繰り返し。
でも「ふね」と「ききゅう」でイメージも感覚も全然違ったお話に感じるから不思議です。

「そう言ってもらえると嬉しいです。ずっとこの作品を制作しているうちにね、なんか途中でわかったんです。この絵本の核となっているのは『できた!うれしい!』、そういう感覚なんだってことが。そこからはもうスムーズに制作が進みました。」

言われてみると、水に浮かべてみるとか、乗ってみるとか、子どもの頃にそうやって実際に試してみたことができた時の喜びって、大人が思っている以上に大きかったのかも。

「『出来たことがうれしい!』っていうのは、根源的な感情ですよね。
例えば、あかちゃんが初めて立てるようになって喜ぶとか、自分で靴下がぬげたといって喜ぶとか。それはもう何がそんなに嬉しいのかというくらい喜びますよね、本人もまわりの大人も(笑)。そういう感覚をこの絵本で一緒に楽しんでくれたらいいな、と思います。」

なるほど。あかちゃんも大人も一緒になって喜びが共有できる絵本、いいですね!
ところで絵についても、いつもの作品の絵と似ているようで、なんだか雰囲気がちょっと違いますね。色も鮮やかな感じがします。

「これ、モノタイプという版画の技法を使っているんです。板の上に絵の具を置き、その上に紙をのせて刷り出します。実はこの方法、一度刷ったらその絵は終わり。大きな修正が出来ないので、納得いかない場合はもう一度同じ構図、同じ色で刷るんです。」

モノタイプ…珍しい技法ですね。しかも修正がきかないだなんて!?どうしてこの方法を選ばれたのでしょう?

「線をはっきり出すにはどんな方法があるかなって考えた時に、経験したことがあったのがこのモノタイプという技法だったので迷わず選びました。
というのも僕は学生時代、版画のクラスだったのですがすごく不器用で…。色々な版画を試すのだけど、刷る時にどうしても版がずれちゃうんです。その時に先生が僕にすすめてくれたのがこの方法。これが僕にぴったりで(笑)。」


くっきりとした太い線や、独特の色の乗り方が面白い!背景はローラーで塗るのだそうです。

「この技法の一発勝負の感じは習字に似ていると言ったら伝わるのかな。もう完成までには同じ様な絵が相当数出来上がっていって…思ったよりもずっと大変!
特にこのカエルの場面は何回も描き直しました。表情も、最初はニコニコしていたんです。でも、『できて嬉しい!』ということを表現するために、はじめは『できるかな?どうかな?』という顔をしていた方がいいなと変えていったりして。ずっと緊張の繰り返しだから、この絵が完成するまでにやせてきちゃって、だんだん自分がカエルみたいになっていました(笑)。」

そ、それは大変(笑)。でもこのカエルの表情、たまらないですね。気球の表情も絶妙。この一枚の絵を見ただけでも手に取ってしまう人がいるはずですよね。
最後に読者の皆さんにひとことお願いします!

「『のれるかな? うかぶかな?』『のれた! うかんだ!』
この繰り返しを、ひざの上やふとんの中で、親子一緒に何度も楽しんでもらえると嬉しいです。」

みんながどんな楽しみ方をしてくれるのか、反応も待ち遠しいですね。
このシリーズ、続きもあったらおもしろそうと言ってみたら、「思いついたら、描きます。」だそうです(笑)。期待しちゃいましょう。


イラスト入りの可愛いサイン本もさらさらっとたくさん描いていただきました。

今日はどうもありがとうございました!!

記念にぱちり。

お知らせ 石井聖岳 絵本原画展 - 石井聖岳 絵本『ふね』『ききゅう』原画展&サイン会

石井聖岳さんはじめてのあかちゃん絵本『ふね』『ききゅう』。2冊揃っての原画展です。
「のれるかな? うかぶかな?」
テントウムシからゾウまで、大小さまざまな生きものたちが、それぞれにぴったりの舟や気球とともに登場します。これからの季節にぴったりののびのびとした絵に、こころまで軽くなって浮かんじゃいそう。

今回、石井さんがつかったのは、モノタイプという版画の技法。
修正の利かない“一発勝負”の版画ということで、各ページ納得のいく絵ができるまで、何枚もいちから描いて、刷ったそうです。絵の質感を間近で感じられるのも原画展ならでは。

あかちゃんはもちろん、子どももおとなも、みーんなでたのしみにいらしてください!

<スケジュール>
●原画展
日時:4月17日(水)〜4月30日(火)
●サイン会
日時:4月28日(日)14時〜
場所:東京店1F 子どもの本売り場
参加費:無料

<お問い合わせ>
クレヨンハウス東京店1F 子どもの本売り場 
TEL 03-3406-6492(11時〜19時) 

詳細はこちら>>>

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石井 聖岳(いしいきよたか)

  • 1976年、静岡県生まれ。絵本に『つれたつれた』(内田麟太郎 文 解放出版社)、『電信柱と妙な男』(小川未明 文 架空社)、『おばけこわくないぞ!』(石津ちひろ 文 あかね書房)、『ふってきました』(もとしたいづみ 文 講談社)、『ぷしゅー』(風木一人 文 岩崎書店)、『もうすぐここにいえがたちます』(ほるぷ出版)、『いもほりきょうだいホーリーとホーレー』(農文協)、『ぷかぷか』(ゴブリン書房)などがある。

作品紹介

のれるかな? うかぶかな? ふね
のれるかな? うかぶかな? ふねの試し読みができます!
作:いしい きよたか
出版社:ゴブリン書房
のれるかな? うかぶかな? ききゅう
のれるかな? うかぶかな? ききゅうの試し読みができます!
作:いしい きよたか
出版社:ゴブリン書房

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