●新作ぞくぞく。原画の巡回展や映画第2弾も予定しています!
カナガキ:少し、制作のおはなしも伺いたいんですが、宮西さんは絵本を作るときにどういう手順で作られているんですか?
宮西:ぼくはまず、新聞広告やチラシの裏にダーッとお話の流れを書いていくんですよ。そうやって「サムネイル」と呼ばれるイメージが固まったら、本の大きさと同じサイズのラフを作ります。このラフの形になるのは、原画に入る前段階、最後の最後です。
編集者さんとはこのラフになってからやり取りをしますね。
カナガキ:アイディアがひらめく場所とかはありますか?
宮西:基本的にどこでもやろうと思っています。今は、講演会なども沢山していますので、移動中の飛行機や電車の中でサムネイルを考えることも多いです。
カナガキ:飛行機や電車の中でも作品を考えているんですね…。
今取りかかっている作品や、新しい絵本の情報などを教えていただけますか?
宮西:4月に鈴木出版の月刊絵本で『にゃーご』『ちゅーちゅー』に続く、第3弾が発売されます。その名も『トラネコとクロネコ』。おなじみの「たま」と今度はもう一匹、クロネコのブルースが登場します。月刊絵本と同じ時期に、ハードカバーの絵本と大型絵本も発売されますので、ぜひ、手に取ってください。それから、これは今進行中の絵本ですね。文章はきむらゆういちさんなんですが、とっても面白いお話なんです。
カナガキ:宮西さんの描く、ゴリラとライオンをはじめて見ました。
宮西:ぼくもはじめて描きました(笑)。タイトルは、『おっとあぶない!かわのなか』です。
カナガキ:おおおおー。すごく気になるタイトルですね。どんな作品なのかとっても楽しみです。
宮西:それと、今進めているのは映画「おまえうまそうだな」の続編シナリオ。これはぼくが原案を書いています。
カナガキ:第2弾が公開されるんですか!
宮西:はい。今回は『であえてほんとうによかった』と『あいしてくれてありがとう』の2作が入ります。
カナガキ:前回、宮西さんがアフレコをしたキャラクターがいましたが、今回も予定されているんですか?
宮西:そのセリフを今、どれにしようか考えているところです(笑)。あとは、宮西達也展も来年、開催することになりました。ぼくの原画やラフなどが山のように全国を回ります。東京では世田谷文学館が会場に決まりました。カナガキさんもぜひ、来てくださいね。
カナガキ:もちろん、家族で伺います!
今日は長い時間、ありがとうございました。最後に絵本ナビユーザーのみなさんへメッセージをお願いします。
宮西:この『おかあさん だいすきだよ』は、ぼく自身、読んでいるときに泣いてしまうんです。「生まれてきてくれて、ありがとう…」って。親は子どもを叱りますよね。時々感情的になってしまったり、手が出ることもある。でも、どんなに叱られても子どもは親を許してくれるんです。それはもう、無条件で。そのイメージが絵本を読むたびに浮かび上がって、ボロボロ泣きます。
カナガキ:子どもは親を許してくれるって、本当にそうですよね。あと、子どもが熱を出して寝込んでいるときとかも、涙が出ますよね。
宮西:そうなんですよ。もう、可愛そうで涙がポロポロ…。そうするとこの絵本は「子どもが寝ているとき、病んでいるときに読んでほしい本」でしょうか?
カナガキ:寝室やダイニングテーブルなど、ついつい怒ってしまいそうな場所に置いておいて、色んなタイミングで手に取って、読んでもらいたい絵本ですね。
宮西:はい。本当にお母さんはわが子を愛していると思います。子どもの為に、良いものをたくさんあげたいと思うのが親なので、良い言葉をたくさんかけてあげてください。
カナガキ:今日は本当にありがとうございました。
宮西達也展準備で大忙しのアトリエの中を見せてもらいました!
(文・構成:木村 春子)