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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  祝・40周年記念! 長年愛される幼児ドリルの定番くもん幼児ドリル 編集者 堤嘉代さんインタビュー

思い通りに鉛筆を動かすことができる「運筆力」にこだわった幼児ドリルの誕生。

───くもんの幼児ドリル40年、おめでとうございます。40年というと、今、小学校に通うお子さんをお持ちのお母さんが、ちょうど「幼児ドリル」に親しんだ世代なのではないかと思います。

そうですね。公文式の考えを元に、「幼児ドリル」の第一号が発売されたのは、1977年。当時、本屋さんにこのような幼児向けドリルはほとんどなかったので、内容を理解して並べていただくのに苦労したと聞いています。


1970年代に刊行された「くもん式のひらがなおけいこ」

───今では、本屋さんの一角に必ず並んでいる幼児ドリルが、40年前にはなかったなんて、なんだか信じられませんね……。刊行当時の幼児ドリルの特徴は、今も引き継がれているのでしょうか?

発売当初から、「くもんの幼児ドリル」が大切にしているのは、子どもたちが鉛筆を思い通りに動かせるようになる「運筆力」です。「書く」作業を楽しみながらくり返し練習するという内容は、40年経った今でも変わりません。ただ、40年の中で、その時代や子どもたちの環境に沿うように内容の改訂はくり返し行っています

───最近も改訂が行われたと伺ったのですが……。

直近では2014年に「もっと楽しく」「さらに力がつくように」というミッションのもと、「くもんの幼児ドリル」初となる全面リニューアルを行いました。


編集者の堤嘉代さん

───具体的にどのように全面リニューアルが行われたのでしょうか?

編集、製作、営業、広告宣伝など、社内各部署を横断したプロジェクトチームを組み、3年弱をかけて市場調査や販売分析、現ドリルのラインナップや内容の見直しなど、ゼロベースで検討していきました。

───約3年かけて見直すというのは、大変大きなプロジェクトだと思います。

今までにも表紙やデザインなどを中心にリニューアルをしていましたが、2014年の全面リニューアルでは、内容も一から見直しました。

───主にどのような部分が、新しくなったのでしょうか?

お子さんの学習の進度や興味に合わせ、選びやすくしました。一番大きく変わったのは、シリーズ構成です。

───裏表紙に載っているシリーズ構成ですね。これを見ると、まず「くもんのはじめてのおけいこ」からはじめるのが良いということでしょうか。

そうですね。表紙に、そのドリルで学ぶことのできる内容を、一目でわかるように記載しました。「くもんのはじめてのおけいこ」では「鉛筆を自由に使いこなせる基本運筆力をつけます。」と書いています。このドリルでは、鉛筆を使い、縦横ナナメの直線からスタートし、曲線や交差する線を書きます。これらの線を引くことで、文字や数字を書くときに必要となる力が身につきます。全ての学習の土台となるのです。


「くもんのはじめてのおけいこ」より


「くもんのはじめてのおけいこ」より

───使い方のページにも書いてありますが、1枚ずつ切り離して、お子さんに手渡し、学習することが基本なのですよね。

はい。そこは、ずっと大切にしているポイントです。1枚をおわらせたことで得られる達成感を味わうことで、お子さんの学習意欲が高まるからです。
また、1日で何枚も進めていただくのは良いのですが、やりすぎると疲れてしまい、それでやりたくないと思うお子さんもいるかもしれないので……。
お子さんの様子を見ながら、1日何枚までとご家庭で上限を決めて、「今日はここまでだよ。続きは明日やろうね」と、お子さんが楽しみを次にとっておけるような言葉がけをすると、学習の継続、学習習慣につながります。

───1ページ終わるごとに、「できたね!シール」を貼ることができるのも、お子さんが続けるモチベーションになると思いました。

「できたね!シール」はカラフルでかわいいイラストをたくさん使っていることもあり、お客様からの評判も良いです。絵本ナビのサイトを利用されている方にはおなじみの絵本作家さんも絵を描いてくださっているんですよ。


できたね!シール

───「くもんのはじめてのおけいこ」が終了したら、次に進むステップとしては「もじ・ことば」「かず・けいさん」「えいご」「めいろ」「こうさく」と、5つのシリーズに分かれていますね。最初は、線の練習からはじまっています。

お客様の中には「くもんのはじめてのおけいこ」からでなく、「はじめてのひらがな」や「はじめてのすうじ」からはじめられる方もいらっしゃいます。そういった方にも、文字や数字を書く前にまずは線の練習から「運筆力」をつけていただきたいと思います。

───「はじめての ひらがな1集」では、線の練習が終わると、ひらがなの書き方に入ります。通常、五十音の書き方は「あ行」最初からはじめるイメージがありますが、このドリルでは「し」「つ」「く」など一筆で書ける書きやすい文字からスタートしているのが新鮮でした。

「はじめてのひらがな1集」の目的は「書きやすいひらがな10文字を練習します。」です。「たった10文字」と思われる方もいると思いますが、鉛筆を持ちはじめた小さなお子さんにとって、お手本を見て、その文字を書くというのは大変難しいことです。
特に五十音順の「あ」はひらがなの中でも書くのが難しい文字です。なので、くもんの幼児ドリルでは、線の練習から自然にひらがなを書く練習へ移行できるように「し」からはじまっています。


ひらがなのおけいこ 「し」のれんしゅう

───なるほど……。「はじめてのひらがな2集」では、「はじめてのひらがな1集」で学んだ10文字の復習と、新たに14文字のひらがなをなぞることができる。少しずつ進んでいくのも、このドリルの特徴ですね。

はい。私たちは「スモールステップ」方式と言っています。1枚おえるごとに、達成感と「できる喜び」を味わい、「もっとやりたい!」と学習意欲を高めてもらうように、学ぶ内容を少しずつステップアップさせています。

───シリーズには「年齢のめやす」が載っていますが、それはどの程度、参考にすればよいものでしょうか。

年齢の表記は私たちもとても慎重に考えるべきものだと思っています。
例えば3歳だからといって、それまで鉛筆を握ったことのないお子さんに「さあ、“あ”から順番に書きましょう」と言っても、難しいですよね。無理にやらせようとすると、ドリルに向かうこと自体を苦痛と感じて、学習は嫌なものと思ってしまいます。それは、避けたいことです。
もし、お子さんに幼児ドリルの内容がまだ早いと感じられたら、焦らずに、もう少し月齢が経ってから、改めてドリルを渡してみようと考えていただけると良いと思います。記載している年齢は、あくまで目安ですので、お子さんの興味や関心、習熟度によって、親御さんに判断していただき、少しやさしく感じられるぐらいのドリルからはじめていただくのが良いと思いますよ。

───例えば、ひらがなよりも数字や迷路に興味を持つ子どもには、「はじめてのすうじ」や「はじめてのめいろ1集」からスタートしても良いということですか?

はい。ひらがなでも数字でも、アルファベッドでも、お子さんが興味を持ったものからはじめていただくことをオススメしています。「はじめてのすうじ」は数字を書くことだけでなく、数字を小さい順に数えながら線を書く学習も入れていますので、鉛筆の練習をしながら数字の読み方も一緒に学ぶことができるようにしています。


「はじめてのすうじ」より

「はじめてのめいろ」は、「くもんのはじめてのおけいこ」から引き続き、運筆力を高める学習になります。どんどん細かく複雑になる迷路をクリアすることで、自分の思い通りに鉛筆を動かせるだけの運筆力が、しっかりつきます。

───それぞれの家庭で、お子さんの好みや関心に合わせて、ドリルが選べるというのも、この幼児ドリルの特徴ですね。

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