北海に浮かぶ小さな島チロヌップ。きつねたちと人々の暮らしを、やがて戦争が…。 人間ときつねに生まれた強い絆
江戸時代、北の孤島チロヌップで、与平の娘さくらときつねのチロは、きょうだいのようにくらしていました。しかし、ある夏の日、さくらは突然、息をひきとります。平和への祈りを込めて描かれた絵本。
高橋宏幸さんのチロヌップシリーズは、キツネたちへの愛情に充ちています。
この作品は江戸時代にまでさかのぼる、千島列島の小島が舞台ですが、キツネをはさんで日本人夫婦とロシア人とのいさかいの物語になっていて、北方領土問題にまで関連するような内容です。
ロシア人たちにとっては、ラッコ狩猟は当然の事だったのでしょうが、そのために北見与平の生活を破壊したのは悲しいことでした。
北見夫婦との再会がかなわなかったチロも哀れです。
物悲しい話に心をしめつけられました。
(ヒラP21さん 60代・パパ )
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