ウィリアムは、男の子ですが、人形が好きでした。「そんなのおかしいよ、女の子みたい」とみんながからかいます。父さんも、男の子は男の子らしくと、バスケのボールや模型の汽車を買ってくれますが、ウィリアムはうれしくありません。そこで、おばあちゃんに訴えると、夢にまでみた人形を買ってくれました。苦虫をかみつぶす父さんにおばあちゃんは「ウィリアムはもう父親になる練習をしているんです。それはとても男の子らしい遊びですよ」とたしなめます。
ゾロトウさんは若いとき、ある父親が三歳の息子におもちゃのピストルを買い与え「男の子には小さいときから銃になれさせないとね」というのを聞いてショックを受けました。これではまるで兵士の予備軍ではないか ― そう憤慨したゾロトウさんはピストルの対極にあるお人形をテーマに絵本を描くことにしたのでした。
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