ある日、探偵ドイルと相棒ランポの「どたばたへなちょこ探偵団」事務所に一通の手紙が。同級生で社長令嬢のアガサから届いたのはバースデーパーティーの招待状と、会場に向かうための豪華列車「バースデー超特急」の乗車券2枚でした。
パーティー当日、同じく招待されたクールなアップル、カメラ好きなカー、双子のマーガレットとミラー、暴れん坊のロックとともに超特急に乗って出発! みんなでジュースを飲み過ぎたりとてんやわんやの車内、ようやく落ち着いたところへ車掌が乗車券の確認にやってきました。
乗客名簿には、いつも本ばかり読んでいて影の薄いブラウンの名前も。でもみんなは、列車の中でブラウンを見ていないと言いきります。
「これは事件だ。高速で走る超特急から、子どもが忽然と消えたのだ。」とドイル。
「そういえば、ぼくは駅でブラウンくんに会っています。」とランポ。
ブラウンはどこへ?ーー2人の推理の始まりです!
「この事件、もらった!!」鋭いひらめきで事件を解決に導くはずが、的はずれや独りよがりで推理はほとんどが空振りのドイル。一方のランポは冷静沈着に事件前の出来事を振り返り、裏づけを積み重ねていきます。2人あわせてちょうどいい名コンビが織りなすなぞ解きは楽しく親しみやすくて、推理よみものへの入り口にぴったり。絵本、童話、まんが、それぞれの手法をテンポよく組み込んで描かれているので、本が苦手という子も夢中になれること間違いなしの一冊です。お気づきの通り、登場人物にさりげなくつけられた歴代の推理作家たちの名前を見つけるのもお楽しみのひとつ!
続く2つ目の事件、突然消えた友だちの愛犬の行方を追う「ジンジャーをさがして!」もぜひ推理してみて。行き詰まったら、イラストやセリフをじっくり読み返して考えてみてくださいね。ヒントは必ず、本の中に。ドイルとランポより先に解けたら、どたばたへなちょこ探偵団の立派な名探偵になれますよ!
(竹原雅子 絵本ナビライター)
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