ある朝オーランドーのもとに、ジャングルに住むトラのリリィおばさんから手紙が届きました。内容は、ライオンのライオネルおじさんと一緒にしばらくオーランドーのところに滞在するというもの。
慌てたオーランドーは、おばさまだけならと電報を出すことにします。
ところが息子の黒ねこティンクルが、電報をダメにしてしまい、適当に書き直しちゃったから、さあ大変。
トラやライオンどころか、ゾウ、クマ、カンガルー、キリンなどなど……大勢の動物たちがやってきてしまいました!
もちろん、オーランドーのおうちには入りきりません。どうするの、オーランドー!?
「ねこのオーランドー」シリーズのもはや名物とも言えるティンクルのやらかしは、今回も健在。母親目線で見ていると、いてもたってもいられない気持ちになります。本の中にまで駆けつけたくなるくらい。
一方で、失敗をすぐに言い出せないティンクルに共感も覚えます。こんなことになったら怖くて言えないよね、わかるよ……と言ってあげたい。
ティンクルだけでなく、パンジーやブランシュといった子ねこたちの自由な気持ちも、素直に描かれています。みんなちゃんと本音が言える。それを受け止める大人たちがいる。いい世界だなあと思います。
みんなのために知恵を絞るオーランドー、心優しい妻のグレイス、やんちゃな3匹の子ねこたちの活躍を、ぜひお楽しみください!
(近野明日花 絵本ナビライター)
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