激甚化する自然災害をAIで救い、
災害状況を即時に可視化して予測する。
AIベンチャーが描く未来の防災
2011年の東日本大震災から、早いもので10年が経過している。
災害大国である日本は、今も予報技術の開発や防災設備の建設に巨額の予算を
投じているが、
天災はそうした努力を易々と凌駕する規模で人間をいつも圧倒するのだ。
ハードの力で災害に対抗するには限界がある。
ならば、情報の力でその脅威に対抗できないか。それが私の考え方である。
(「はじめに」より抜粋)
日本は元来、自然災害の多い国であるが、
近年は気候変動の影響と思われる災害がこれまで以上に頻発するようになってきた。
また、それに備える防災という分野は、長らく土木や建設業が大部分を担ってきた。
しかし、想定外の被害を減らすために今後より重要になってくるのは、
リアルタイムに状況を見える化し予測することである。
そんな新しい防災のカタチをAIによって実現しようとしているのが、
スタートアップ、スペクティだ。
SNSの投稿などからAIが情報を精査・解析し、
「予測する防災」を可能にしたサービスを提供している。
それは現在、全国47都道府県の防災部門の8割で導入され、
民間企業でも約500社が採用するまでにいたっている。
本書では、「防災」という珍しい領域で事業を成長させてきた企業の取り組みを
描くとともに、
「防災×AI」で何ができるのか、何をするべきなのか、
その現状と未来の防災の可能性について展望する。
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