不思議と心がほぐれちゃう、落語調人情物語
江戸時代末期の寺子屋が舞台の、ちょっと不思議な物語。
算術が得意な少女・お咲は、なんでも白黒はっきりさせるのが好きながんばりやさん。いい加減でお気楽な師匠がやっている寺子屋に通うことになるが、その寺子屋にある「お元気部屋」の不思議な魅力に、気張った心もほぐされていく。現代の保健室のような「お元気部屋」の魅力は、なんといっても、お千代先生。話をきいてもらい、やさしくぽんぽんされると、みんな笑顔と元気を取りもどしていく。
ある日、そんなお千代先生の噂を聞きつけた富金家がやってきたことから、おだやかだったお元気部屋が大ピンチになり・・・・・・。
人の心は白黒はっきりできることばかりではなく、善悪はつながっているのだということを知るお咲。最後にはどんでん返しもある、笑いあり、涙ありの落語調人情話。
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<著者・安田夏菜さん プロフィール>
兵庫県在住。児童文学作家。『あしたも、さんかく』で第54回講談社児童文学新人賞佳作入選。第5回上方落語台本募集で入選した創作落語が、天満天神繁昌亭にて口演される。『むこう岸』で第59回日本児童文学者協会賞、貧困ジャーナリズム大賞2019特別賞を受賞、NHKでドラマ化される。『セカイを科学せよ!』は青少年読書感想文全国コンクール課題図書、『6days遭難者たち』はこども家庭庁児童福祉文化賞推薦作品に選定される。
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