「子どもに還らなければ、何一つこのかたじけない大自然のいのちの流れをほんとうにわかる筈はありません」
と白秋は言います。また「私の童謡は幼年時代の私自身の体験から得たものが多い。
此の生まれた風土山川を慕う心は、進んで寂光常楽の彼岸を慕う信と行とに自分を高め、
生みの母を恋ふる涙はまた、遂には神への憧憬となる」と語っています。
白秋の童謡は現代詩に限りなく近い、深いメッセージに満ちています。
山田耕作らの作曲により有名になった詩が多いのでつい歌ってしまい詩のメッセージを
味わう人が少ないのはきわめて残念のことです。
この詞華集と既刊「この道はいつか来た道」で白秋童謡の名詩は細大もらさず収録いたしました。
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