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アイドル、トッキーが大好きな文子。教えてもらった番号に電話をすると、なんと、そのトッキーが出た! 表題作ほか、こわい怪談10編。
2010年刊行。10人の児童文学作家による怪談集。現代の生活で体験しそうなリアルな怪談がいろいろ楽しめる。
特に、登場人物のこころの動きがリアルで、臨場感がある。
小学校や近所の公園などが舞台になっているので、やけにリアルだ。特に生々しく、印象に残ったのは「ぶきみな妹」(藤野恵美・作)という話。中の悪い姉妹のもとで起きた怪談だが、怪異よりも兄弟間で憎しみ合う生きた人間の心理描写の方が恐ろしい。
うちも兄弟仲は大変悪かったので、ケンカも絶えず、ある程度成長すると今度は会話がなくなり、大人になったら行方知れずで、だれがどこにいるのかわからない。兄妹や家族というのは、所詮は他人の集まりだと常々思っている。
この話のように、強い憎しみが怪異を引き起こすのも、さもありなんと思われる。しかし、実際は、この姉妹が大きくなった後、このまま仲が悪いままだった時に起きる「現実の争い」の方が、よほど恐ろしい。
物語はページの都合上、適当なところで終わっているが、
仲の悪い兄弟姉妹の怪異は、現実社会にはいくらでも転がっている。この物語の姉妹が、取り返しのつかない状況にならないことを心から祈る。合掌。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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