澄み渡る空、なんだかそわそわ、ワクワクしちゃう、今日は待ちに待った日曜日。
ぼくはお父さんに肩車してもらって、家族全員である場所へ。ん?あらら、どうやら向かっているのはぼくたちだけじゃないみたいですよ。おじいちゃんおばあちゃんをはじめ、忍者さん、泥棒さん、オバケちゃん、ヘンテコリンさん、ぼくのご近所さんたち全員が大移動!みんな一体どこへ行くの?
そう、今日はみんなが楽しみにしている町の運動会。子どもも大人も大集結、赤白わかれて、賑やかな大運動会の始まりです。誰もが主役になれる運動会は、エキサイティングな催しものが目白押し!
午前中は、ずるっこなしよ、子どもが主役の「ちびっこ競争」、大人数になるほどはちゃめちゃで面白い「ムカデ競争」、意外な人が大活躍して盛り上がっちゃう「障害物競走」。お昼に美味しいお弁当を食べたら、赤組白組の応援合戦で運動会は一気にヒートアップ!「綱引き」「大玉転がし」まだまだ続く「騎馬戦」、、、そして最後はやっぱりリレーで決着。赤白どっちが勝ったかな?
この絵本の見所は、なんといっても描かれている全員が主役であること!見開きいっぱいに緻密に描かれたたくさんの人たちが、みんな思い思いに本当にいろんな事をしているのです。最初に肩車して登場した「ぼく」もすっかり見失っちゃうくらい人、人、人、人、人だらけ!この絵本の作者中垣ゆたかさんの前作『ぎょうれつ』にも負けないくらい!?よく見ると、普通の町の人にまぎれてヘンテコリンな人がたっくさんいて、なんだか運動会じゃないことをしていたり(笑)。実際の運動会も遠くから望遠鏡でのぞいてみたら、きっとこんな感じなのかもしれませんね。ページのどこに「ぼく」がいるかを探してみたり、一人一人何をしているのかストーリーを想像して膨らませてみるのも楽しい。絵本を開くたびに、きっと数えきれないくらいの物語と新しい発見に出会えるはずですよ。
さあ、準備はいい?それじゃあ「よーい、ドン!」
(富田直美 絵本ナビ編集部)
続きを読む