鉛筆一本でこんな絵本が描けるなんていいなぁ…
なんて軽く言ったら 娘に叱られました。
仕上がりの1ページの為に何枚のデッサンがあると思ってるの?
(以前 この方を取り上げたテレビ番組を見た事があるんだとか。)
娘曰く 1ページ作るのに
100枚単位での下絵を書いているのだそうです。
言われてみれば…
だからこそ 文章が全くない絵本にも関わらず
犬の気持ちの変動や、あてもなく歩きまわった草原の広さを
深く想像する事ができるのだと思います。
悲しい場面ばかりが続き 後半に入っても
犬を置き去りにした車のことが頭から離れません。
最後の場面で一瞬救われますが
この犬が出会った子どもも一人で旅していたのでしょうか。
そんな子どもの背景を想像すると
これまた哀しい気持ちになりそうですが
この出会いが 1匹と1人の心をあたためることになったのは
一目瞭然のラストです。
ひとりぼっちの寂しさがずっしりと心に響いてくる絵本です。