「い〜しや〜きいも〜 おいもっ」
そんな呼び込みの声を最近聞きません。
その声を聞いて「やきいも屋さ〜ん!」と走り出すのは、昭和の時代のサザエさんだけかも。
街で売り歩くやきいも屋さんを見かけなくなったかわりに、最近よく見かけるのが、
スーパーの入り口付近に置いているやきいもマシーン。(あの機械、なんていうのだろう)
まだそこで売っているやきいもを買ったことはないが、どこの店でも見かけるから人気なんだろう。
なんといっても、やきいもはおいしい。
そんなやきいもが絵本になりました。
それが杉原やすさんの『やきいもどーん』です。
表紙一面に、それこそ「どーん」と描かれている、やきいも。
やきいもにこんな太い眉とかごつい鼻とかはもちろんないのだが、
それがちっとも不自然ではないところがいい。
やきいもって、まさにこんな感じ。
公園のイベント会場で、最初はかわいいアイスやクレープに負けていたやきいもでしたが、
会場に冷たい風が吹き出すと、みんながやきいも目当てに集まりだします。
そんなやきいものお話。
杉原さんは4児の母でもある絵本作家。
ずっとやきいもの絵本を描きたかったんだとか。
この絵本を描くにあたり、熊本の(ここは杉原さんの地元)農園まで話を聞きに行ったとか。
そういう体験が、おいしい絵本を生みだす要素になっています。
この絵本を読んだら、あの焼きいもマシーンまで走り出したくなるかもしれません。