作者のユリ・シュルヴィッツ は、1935年ポーランド ワルシャワ生まれ。
1959年アメリカに渡り創作活動を始めます。
1969年に「空とぶ船と世界1のバカ」でコルデコット賞、1980年の「たからもの」、1999年の「ゆき」、2009年の「おとうさんのちず」で、コルデコット賞オナー賞を受賞と輝かしい創作活動をされています。
この作品は、そんな彼のデビュー作。
アメリカに渡り、挿絵の仕事を探す内に、出版社から自分で絵本と作ってみたらと言われて創作したのが本作品とのこと。
この作品が認められたから、その後の活躍があるのであって、実に興味深い作品と言えると思います。
初版は1963年で、邦訳は2005年の作品。
原題は、The Moon in My Room。
物語は、小さな男の子の部屋を紹介するシーンで始まります。
男の子の部屋には、何でもあるというのがポイント。
自分だけのお日様、お月様、お星様、お庭、山や谷から沢山の友達に至るまで揃っているのです。
そんな時、一番大事なものが見当たりません。
一番大事なものとは、くまさん。
見つかってからの男の子の行動に、共感できるお子さんも多いことだと思います。
何でも持っていると、大切なものを忘れてしまうこと諭してくれるような絵本です。
派手さはありませんが、子供の心に響く一冊としてオススメします。