おおらかな空気が漂っていていいなあと思います。
ものすごい「へ」をするよめさまだから「家にはおいて
おけない」と里に返しに行くあにさま。
昔ってきっとそんな風に「よめ」を突き返してしまうことが
多かっただろうなあって思うし、それは現代の感覚からいったら
ちょっと酷いんじゃないの?って思ってしまうのですけれど
この絵本を読んでいてもちっとも酷いなどとは感じられない。
それはきっと原因が「へ」だからでしょうね。
ずっこけちゃう(笑)。
「へ」だったら仕方がないかって思っちゃう(笑)。
昔のよめさまは、でも、こうしてつらい状況を力強い物語に
かえてふんばるしかなかったのですね。。
娘はとってもこの話が気に入ったようで(確か何年か前にも
他の『へっこきよめさま』は読んだことがあるはずなんですけど
忘れてしまっているようです)、何度も読みました。
小さな子どもは「へ」が好きでテンションあがったり
ふざけたりしますが、そういった感じではなく、静かに何度も。
なにに揺り動かされたのかなあ。「へ」がおもしろいと
いうよりこんなにも威力のある「へ」が不思議だと思ったのかなあ。
それとも、おくはらゆめさんが描く「よめさま」がとっても
かわいらしいのに、強いパワー(「へ」ですけど。笑)を
持っているという、そのギャップがおもしろかったのかなあ。
気に入った絵本を読むと物語を描く娘。
早速描いていました。
タイトルは『むかしばなし よめさま ママと子どもの本』。
しかしこの絵本の中のよめさまは「へ」をするのではなく
「へび」をみると嫌な顔をするそうで(笑)。
あにさまは「いえにはたくさんのへびがいるからそんなよめは
いえにはおけんなー」と言っている(笑)。
きっと「へ」から「へび」を連想したんですね、娘。
子どもの想像力って大人とは全く違うからおもしろいです。
「おはなし もうひとつ」は『ねずみのすもう』。
編集された方は意識されたのかどうかわかりませんが、
『へっこきよめさま』と同じように弱い立場のもの(やせたねずみ)が
強い立場のもの(ちょうじゃのねずみ)と楽しくすもうをとる
物語です。
読んでいてむくむくと元気になりました。