原作はマージェリィ・W・ビアンコさんの『The Velveteen Rabbit』
1922年に刊行されて以来、世界中で翻訳されて読み継がれてきたお話です。
その名作が酒井駒子さんの抄訳・挿絵によって絵本化されたもの。
クリスマスに男の子のもとにやってきたビロードのうさぎ。
心から大切にされたおもちゃは本物になれるという話を耳にします。
男の子と過ごす時間はうさぎにとって大切なものへと変わっていきますが、別れは突然やってきたのです。
酒井駒子さんのノスタルジーな挿絵がお話の切なさを引き立たせているように思います。
うさぎが言う本物と、馬が言う本物、そして私たちが考える本物。
うさぎは幸せだったのかな…そんなことを考えさせられるお話でした。