「いつでも会える」が100万部を超えるベストセラーを記録した菊田まりこさんの作品。
主人公は、大人のサラリーマン。
出勤途上の雪に最悪という思いで歩くのですが、脇には、雪を楽しむ子供達の姿が。
そして、サンタクロースと出会うのですが、主人公が忘れてしまったものを、思い起こさせてくれたのです。
「大人になるということは、
もう子供では いられない ということ。
・・・けれど、ああ ぼくは
失ったものなど
何一つない。
忘れていたものが
沢山あるだけだ」
珠玉の言葉を、サンタクロースとの出会いという物語の中に埋め込んだ手法はなかなかのもの。
きっと、読み手の心の琴線に触れることだと思います。
絵も淡い水色と黒の二色刷りというシンプルなものですが、物語に相応しいもの。
やはり、読み聞かせというよりは、大人が読んで感じる絵本といった類の作品だと思います。