これはアメリカの絵本。
シングルファザーのパパの娘と、パパが現在付き合っているカノジョとの関係を描いた作品で、なんともサッパリしていて、アメリカらしいといえる絵本。
この絵本は岩波ジュニア新書の『答えは本の中に隠れている』という本の中で、埼玉県の養護教諭を経て、現在は子供たちの思春期の問題に取り組んでいる金子由美子さんが推薦していたものです。
その中で金子さんは「外国には、離婚家庭や再婚家庭の子どもたちを取り上げた絵本が数多くあります」と、この絵本を紹介しています。
やはりなかなかこういう問題は日本の絵本では少ないのかもしれません。
現在の「パパのカノジョ」はとても変わっています。
「チューバなんてふいて、ヘンな詩をよんで」、「スカートなのにスニーカーをはいて」たりします。
カノジョは「かわってる。すごくカッコわるいんだ。」
でも、「いままでのカノジョたちよりいちばん長つづきしてる」。
その訳は、このあとのページからどんどん出て来るのですが、一番最初にあるのは「あたしのはなしをテレビをけしてきいてくれる」なのは、ちょっと感動的。
主人公の女の子は「パパのカノジョ」に出会って、飾らなくても美しい、本当の人間を見つけたのではないでしょうか。
家族の関係性はかつてのようにシンプルではなくなっているように感じます。
だったら、この作品のように絵本にして子どもたちにも理解させることも必要ではないでしょうか。