黒井さんの小さい時の夢でしょうか。
夢があこがれになると、本当のことのように疑似体験できることがあります。
私にも本当のこととして記憶にのこる不思議な体験、逆にデジャブ体験があります。
でも、この雲の上まで飛んだことがあるというのは、自分にはありません。
それほど壮大な記憶です。
もう一度飛ぼうと思っても、2度と体験できなかったこと。
一回限りの疑似体験も、自分にとって特別の意味を持っていると思います。
不思議な絵の世界です。
気持ちが大きくなれる絵本です。
登場するのは少年だけ。
自分の住む世界を上空から眺め、さらに空高く舞い上がって、先ほど山の向こうに隠れた太陽を雲の上からもう一度眺める。
奥にいろいろなものを秘めているようにも思いますが、読者にすべてお任せなのでしょうか。
透明感と崇高さを感じました。