今回風来坊は木彫りを3体彫ります。1つは侍に殺された母親の魂を慰めるため、もう1つは妻を亡くした夫を慰めるため、そして自分勝手な都合で人を踏みにじっている権力に対する自分の怒りを昇華させるため。最後の木彫りが一番大きいのが、風来坊の怒りを表しているのでしょう。権力に対する怒りと、自分にはなにもできなかったという歯痒さ。
いつもの、風来坊の胸のすくような活躍を期待して手に取ったのですが、期待は見事に(?)裏切られ、しょっぱなから涙涙の一冊でした。場面展開も絵本にしては複雑だったので、3歳の娘にはちと難しすぎたようでした。でも、最近、身近な方が亡くなって人の死に敏感になっているので、最後まで一生懸命聞き、理解しようとしていました。
皆様でにご一読ください。3歳でも小学生でも大人でも、それぞれ考えさせられる1冊です。