ともちゃんとうし
- 作:
- 市川 朔久子
- 絵:
- おくやま ゆか
- 出版社:
- 岩崎書店
絵本紹介
2025.03.18
ともちゃんは今日、どうしても学校に行きたくありません。そんなともちゃんの目の前にあらわれたのは……!?毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは、『ともちゃんとうし』。児童文学作家・市川朔久子さんと、マンガ家であり童話作家のおくやまゆかさんのコンビで生まれたこの絵本。どんな内容なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
こんな時間に行ったって、待ってる子なんか誰もいないよ! そう思って角をまがったともちゃんの目の前にあらわれたのは。
道をふさぐほど大きな牛!
さっきまで泣いていたくせに、あっという間に牛の背中によじのぼってしまうともちゃん。口はきかないけれど言いたいことは伝わってきて、その歩みは想像するよりもはるかに遅い。おまけに驚くとものすごいスピードで走りだす。体の模様も鳴きかたもなんだか変わってる牛。
なんて魅力的な組み合わせなのでしょう。あっという間に読者を夢中にさせてしまう場面です。
そんなふたりの可笑しくて愛らしいやりとりが続くこのお話は、児童文学作家・市川朔久子さんが初めて手がけた絵本作品です。絵本の中で描かれるのは、学校へ行きたくなかったことなんてすっかり忘れてしまうほど、のんびりゆったり、開放的で素敵な時間。
想像もつかないような出来事ばかりが続いたあと、元気いっぱいに日常に戻っていくともちゃんと牛。毎日生きていれば、おたがいに色々なことがあるよね……そんな会話が聞こえてきそうです。牛の背中に乗って登校。たまには、こんな日があったらいいのにね!
焦ってしまう時にこそ
「のっ しり、のっ しり。ぎっ たこ、ぎっ たこ。」一歩進むごとに、大きくひとつ深呼吸。そんなスピードで読んでほしいとおっしゃるのは、作者の市川さん。そこに生まれる時間を想像すると、ちょっとワクワクしちゃいますよね。だってそんなに遅かったら、やらなくてはいけないことがあっても、行かなくちゃいけないところがあっても、あきらめがつくってものです。まずはこの絵本に集中、集中。すっきりした気持ちになってから、また次に進めばいいのです。皆さんも、ぜひ試してみてくださいね。
この書籍を作った人
福岡県生まれ。『よるの美容院』で第52回講談社児童文学新人賞受賞。同作でデビュー。『ABC!曙第二中学校放送部』が第49回日本児童文学者協会新人賞受賞、第62回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に選出。『小やぎのかんむり』で第66回小学館児童出版文化賞受賞。著書はほかに『紙コップのオリオン』『おしごとのおはなし 美容師 かのこと小鳥の美容院』『よりみち3人修学旅行』(以上、講談社)、『しずかな魔女』(岩崎書店)など。
この書籍を作った人
マンガ家、童話作家。マンガに『たましい いっぱい』(文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞)、『むかしこっぷり』(いずれもKADOKAWA)、『コットリコトコ』(小学館)、児童書に『うりぼうウリタ』(偕成社)、『三まいのはがき』『もじゃもじゃドライブ!』『あいたくてたまらない』(いずれも福音館書店)、『たいふうこぐま』(ほるぷ出版)など。友人たちと、マンガと小説の雑誌「ランバーロール」主宰。図書館員。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。