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インタビュー

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2021.04.22

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コロンとかわいいキューブ型絵本『きゅうきゅうブーブー』tupera tuperaさんインタビュー

絵本のみならずテレビ番組や舞台のアートディレクション、イラストレーターとして数多くの作品を世に送り出している人気ユニットtupera tuperaさん。
tupera tuperaさんの絵本には、真っ赤なパンツ(帯)を脱がさないと中身を読むことのできない『しろくまのパンツ』や、まん丸のデザインがかわいい『あかちゃん』、ページが全てつながって蛇腹状になっている『木がずらり』『魚がすいすい』など、アッと驚くしかけが施された作品がたくさんあります。新作『きゅうきゅうブーブー』も、tupera tuperaさんのアイデアがぎゅーっと詰まった絵本。なんと、絵本がキューブ型なんです!
一体どんな作品なのか、この絵本のアイデアがどのように生まれたのか、tupera tuperaさんにメールインタビューを伺いました。

  • きゅうきゅうブーブー

    出版社からの内容紹介

    1、2、3・・・ページをめくる度にこぶたが増えて、「もう、きゅうきゅう!」。数の概念をブーブー伝える、コロンとかわいいキューブ型絵本。小さな手でもパタパタめくれます。どんどん増えていくブタ達は、よく見るといろいろな顔をしています。極厚の合紙だから、赤ちゃんの小さな手でも簡単に、パタパタっとめくれます。tupera tuperaの最新作!

キューブ絵本『きゅうきゅうブーブー』ってどんな絵本?

『きゅうきゅうブーブー』の新しさは、四角いキューブ型のキュートな見た目!手の平サイズでボードブックタイプなので、小さいお子さんが手に取ってページをめくりやすく、親しみやすいデザインが魅力です。

6cm四方のかわいい四角い絵本です!
ボードブックでめくりやすいので、はじめての絵本体験にピッタリ!
お部屋のインテリアとしてもオススメです!

ページをめくる度に、ぶたさんが一匹ずつ増えていくストーリー展開は、小さいお子さんが数に興味を持つきっかけにも!ぶたさんの表情の変化に気づいたり、「ブーブー」という音を楽しんだり。手に取った人の数だけ楽しみ方も広がります。

動画公開中!

tupera tuperaさんってどんな人?

PHOTO RYUMON KAGIOKA

この人にインタビューしました

tupera tupera

tupera tupera (つぺらつぺら)

亀山達矢(1976年三重県生まれ)と中川敦子(1978年京都府生まれ)によるユニット。 絵本やイラストレーションをはじめ、工作、ワークショップ、舞台美術、空間デザイン、アートディレクションなど、様々な分野で幅広く活動している。著書に「かおノート」(コクヨ)「やさいさん」(学研教育出版)「いろいろバス」(大日本図書)「うんこしりとり」(白泉社)など多数。海外でも様々な国で翻訳出版されている。NHK Eテレの工作番組「ノージーのひらめき工房」のアートディレクションも担当。絵本「しろくまのパンツ」(ブロンズ新社)で第18回日本絵本賞読者賞、Prix Du Livre Jeunesse Marseille 2014 (マルセイユ 子どもの本大賞 2014 )グランプリ、「パンダ銭湯」(絵本館)で第3回街の本屋が選んだ絵本大賞グランプリ、第24回けんぶち絵本の里大賞 大賞、「わくせいキャベジ動物図鑑」(アリス館)で第23回日本絵本賞大賞を受賞。2019年にやなせたかしさんの遺志を継いで創設された、第1回やなせたかし文化賞の大賞を受賞。武蔵野美術大学油絵学科版画専攻 客員教授、大阪樟蔭女子大学 客員教授。

キューブ型絵本を作るきっかけは……?

───既成概念にとらわれない、自由な発想の絵本が魅力のtupera tuperaさん。今回のキューブ型も、とてもオシャレでかわいい!と絵本ナビスタッフ全員が、心をつかまれました(笑)。キューブ型の絵本を作るきっかけは何だったのですか?

亀山:岩崎書店の編集者の増井さんが連絡をくれて、「キューブ型の絵本をtupera tuperaで作ってみませんか」って言われたんです。

───最初にキューブ型絵本の話を聞いたとき、どう思いましたか?

中川:うちの娘が小さいとき、原田治(※)さんの小型のボードブックを嬉しそうにめくって楽しんでいたのを思い出しました。小型絵本は小さい手にぴったりなんですよね。アイデアによってはいい絵本になるなと思いました。

(※原田治…イラストレーター。「マザーグース」を題材にしたオリジナルのキャラクターグッズ「OSAMU GOODS」が人気)

───おはなしのアイデアはすぐに浮かんだのですか? それとも、時間がかかりましたか?

亀山:5年かかりました。日々同じような絵本は作りたくないと思っています。アイデアがピシッと腑に落ちなければ次の段階に進めない。この作品は長かったですね。アイデアは突然降りてくるもので、降りた瞬間からは動きが早いんですけど。

───アイデアが下りてきたとき、どう思いましたか?

亀山:コロナ禍でランニングをはじめたんですが、ある日に、「今日は走りながらキューブ絵本考えてみよう」と思って。「いち、に、いち、に」って走っていたら、あの「きゅう、きゅう、ブー、ブー」のフレーズが浮かんできたんです。キューブが「きゅう」と「ブー」に分かれて、「ブー」が「ぶた」って思いついた瞬間から、一気に入っていきました。
1から順番にこぶたが増えていき、「9ブー」のあたりで埋まっていけば面白いなと。僕はテトリスが好きなんですけど、画面が埋まっていくそんなイメージです(笑)。

ユニットの良さは、相手の反応を見ることができること。相手が反応して、さらに面白くしてくれることもあれば、批判されることもある。急いでランニングを終えて中川にアイデアを話したら、面白いって。ふたりが納得しないと形にならないです。

───「キューブ」と「きゅう(9)ブー」というダジャレが日本らしくて、とてもユニークですよね。このような言葉遊びから絵本を作られることは以前もあったのでしょうか?

亀山:多いですね、言葉遊びとかダジャレとか。初期は『しましまじま』(ブロンズ新社)、新作なら『めがねがね』(ひさかたチャイルド)も。『わくせいキャベジ動物図鑑』(アリス館)もそう。誰しもが思いつくようなダジャレでも、あそこまで世界観を作りこんでやると、皆すごく共感してくれて、笑ったり面白いって言ってくれたりする。そういう軽いノリのことから物作りをする楽しさが好きなのかもしれないですね。

───アイデアが下りてきてから、ラフを完成させるまで、何度も修正を繰り返されたのでしょうか? それとも、最初のアイディアからほとんど変わっていないのでしょうか?

中川:今回は、最初のアイデアから大幅には変わっていません。いろいろ考えたのは、ブタの「顔」と「配置」ですね。1匹ずつ顔に個性を出すかどうか、表情はどうするか。増えていく時にどう配置するか。「1」はサイコロと同じようにしたくて中央にブタが。「2」に増えたとき、どこにブタを配置しようか……いろいろやってみましたね。

制作中の写真を見せていただきました

───色つけはどうやってされているんですか?

亀山:着彩は、固形パステルの粉をパフでつけておこなっています。着彩技法はいろいろ試していて、作品によってちがうんです。今回はブタの「ピンク」と「やわらかさ」にこだわりました。指で優しくなぞったり、粉をかけたりしながら、ブタのやわらかく優しい感じを表現しました。『あかちゃん』でも使った技法です。絵本として同じように特殊なかたちですし、技法もやわらかさを表現するために同じ技法を使ってます。間違いなく絵本『あかちゃん』を作った経験から生まれた絵本だと思います。

固形パステルの粉を指につけて着色している場面

───お二人は、絵本を作られるとき、二人で一緒に作られたり、部分的に分業したりされていますが、『きゅうきゅうブーブー』はどんな風に制作を進められたのですか?

亀山:僕がアイデアを出し、中川が構成を考えてラフを描きました。それから2人でいろいろ検討して、中川がラフを描き直して…とやっていって。ラフが固まったら、原画制作に入るんですけど、中川がほぼ下絵を描いて、そこからの制作は僕ひとりでやりました。
この絵本は、ぶたの顔しか出てこないので。普段から顔は僕が作ることが多いんです。

───『きゅうきゅうブーブー』はtupera tuperaさん史上、最も小さいサイズの絵本だと思うのですが、原画は絵本と同じサイズで作られたのでしょうか? 制作中で大変だったことがありましたら教えてください。

亀山:原画は絵本の2倍の大きさで作りました。こぶた1匹が、2cm×2cm程度です。表紙も入れて56匹のぶたが出てくる。原画は切り絵なんですが、ぶたの鼻の穴とか耳とか、目は白目と黒目と、112個ずつ切って。全部同じ形でぴちっと作りたくて、大変(笑)。黒目の丸を一発で切れるかって言ったら切れないんですよ。失敗したらやり直し。ラジオを聞きながら黙々と切ってましたね。
僕は細かく正確に作るタイプで、中川はおおらかに作るタイプかな。逆に思われがちなんですけど(笑)。

───制作中、ダミーをご自身のお子さんや、どなたか小さい子に見せて、反応を調べたりしましたか?

亀山:制作中にあまり見せたりしないですね。リサーチしてもの作りをすることがなくて。瞬発力で作りたいタイプです。

───ダミーを何個も何個も作ったそうですね。

中川:多くの場合、本番と同じ大きさ、同じ紙で真っ白い本(ダミー)を作ります。今回もダミーを作ったんですが、それがすんなりいかなかった…。この絵本は1ページが5ミリほどあるんですけど、紙を何枚か重ねて厚みをだしているんです。
その紙の種類によって、発色、手触り、背幅など、仕上がりがかなりちがってきます。さまざまなパターンのダミーを作ってくださって、編集者の増井さんとオンライン会議を重ねました。

たくさんのダミーを作って検討しました

お部屋のインテリアにもオススメ!

───お部屋のインテリアとしても、とてもかわいいと思いました。お家のどこにこの絵本を飾りますか?

亀山:tupera tuperaの本棚があるので、そこかな。僕らは自分の作品を家にあまり飾らないんです。読者の皆さんがどこに飾ってくれるのかが楽しみです!

───『きゅうきゅうブーブー』には、続編の構想はあるのでしょうか? お話しできる範囲で教えていただけると嬉しいです。

亀山:アイデアが思いつけば、ですね。続編を作るのが得意な作家ではないんです。でも、思いつく場合はあるんですよね。『やさいさん』『くだものさん』がいい例です。可能性がなしではないです。

───とても新しく、インパクト抜群の『きゅうきゅうブーブー』ですが、今、こんな絵本を作っています! もしくはこういうアイデアを考えていますなど、現在進行しているものをお伝えいただける範囲で教えてください。

亀山:現在、作業が進行している絵本はないですが、日々アイデアは考えていて。うまく着地させられないと台無しになってしまうから、考え続けています。細かい事までは言えないんですが。

中川:展覧会だと、昨年に東京の立川で開催した「tupera tuperaのかおてん.」が巡回することになって夏に福島のいわき市、秋に大阪・あべのハルカスで開催予定です。

亀山:『きゅうきゅうブーブー』も「顔」の絵本なんですけど、マスクで隠れている世の中だからこそ、みんなにいい顔になってもらいたいなと、「かおてん.」でも『きゅうきゅうブーブー』でも思います。親子がこの本を通して笑顔になってくれて、そういう作品として皆さんの中で育っていけば嬉しいなと思います。

───この1年、なかなか外に出る機会が少なくなっていたと思います。tupera tuperaさん流、おうち時間の過ごし方を教えてください。

亀山:ひとつはウクレレ。毎日触ってます。元々、中川が買ったまま放っておいたウクレレがあったんですが、娘がそれを引っ張りだしてきて弾き、息子も弾き。息子がすごく上達したものだから、新しいウクレレを買ってあげました。結局僕も自分用に買って、今、家にはウクレレが3つあります。
それから、家族全員ではまっているのがUNO。他のゲームだと小2の息子が大人に負けてしまうんですが、UNOは皆全力で戦える。「UNO帳」を作って毎日記録してます(笑)。この3ヶ月くらいで一番勝っているのは息子ですね。

───家にいることで気づいたことや、最近発見したこと、マイブームなどがありましたら教えてください。

中川:もともと、普段から平日はだいたい家にいましたが(笑)、京都の居心地の良さを改めて感じました(注釈:2015年に京都に移住)。風景がよくて、ドライブも楽しい。長い歴史があるから、街の中にいろんなものが詰めこまれているなと感じる。
亀山は歴史が好きなので、史実に思いを馳せて楽しんでいます。家族のこともそうですが、身近な人や街を見つめ直すことができたのはよかった点ですね。

───自由に外出できるようになったら、どこへ行きたいですか? また、どんなことをやりたいですか?

亀山:イベントも最近はじまってきたので、外には出ている方だと思いますが、自由に行けるなら、海外に行きたいですね。娘はときどき連れて行きましたが、息子は台湾だけなので。
年齢的にいろんな事が楽しめるようになってきたので、連れ出してやりたいですね。先になるかもしれないけど、南米にも行きたいです。

───最後に絵本ナビユーザーへ、『きゅうきゅうブーブー』のオススメメッセージをお願いいたします。

オススメは、
ブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブーブー……大人も子どもも みんなでブーブー言いまくろう!

───ありがとうございました!

ページ構成:木村春子(絵本ナビ)
写真提供:tupera tupera

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