「ぴよちゃんのおやこであそぶしかけえほん」最新作『ぴよちゃんのおたんじょうび』が発売になり、ぴよちゃんシリーズは今年で10年目を迎えます。シリーズ24作品でなんと売上実数222万部突破!
大人気の「ぴよちゃん」生みの親、いりやまさとしさんにインタビューしました。
- ぴよちゃんのおたんじょうび
- 作・絵:いりやま さとし
- 出版社:Gakken
今日はぴよちゃんのお誕生日。プレゼントを持って次々と仲良しのお友達がお祝いにやってきます。中にはちょっと怖いお友達も…? 最後は、飛び出すケーキのしかけつき! お誕生日の贈り物にもぴったりの、しかけがいっぱいの絵本です。
───ぴよちゃん誕生10周年、おめでとうございます!(パチパチパチ!拍手!)
ありがとうございます。
───「おやこであそぶしかけえほん」シリーズ(1〜3歳向け)からはじまったぴよちゃんの絵本ですが、このシリーズの新作を出されるのは久しぶりですね。
そうですね。絵本作家としてのデビュー作がこのシリーズだったので、僕にとっては初心にもどることができる、思い入れのあるシリーズです。
その後出版したあかちゃん絵本「ぴよちゃんとさわってあそぼ!」「ぴよちゃんとあそぼ!」シリーズ(0〜2歳向け)をおかげさまで多くの方に読んでいただきました。
お話絵本である最初のシリーズは近年新作がなかったのですが、ずっと作りたかった『おたんじょうび』を題材に新作を出すことができてうれしいです。
───この「おやこであそぶしかけえほん」シリーズは『ぴよちゃんのかくれんぼ』『ぴよちゃんのおかあさんどこ?』からはじまって、『おともだち』『おやすみなさい』『おつかい』『ありがとう』など、子どもたちの生活にとても近いテーマが選ばれていますね。
7冊目の新作『ぴよちゃんのおたんじょうび』は、お祝いに訪れた動物たちがみんなでバースデーケーキを作っていくしかけ絵本。アイディアはどのように思いついたんですか?
3年前に取材していただいたとき(2009年12月頃インタビュー)は生まれたばかりだった次男も3歳になり、保育園に通っています。次男の保育園で毎月誕生会があるのですが、その月生まれの子どもたちがおもちゃのバースデーケーキを作るんです。おもしろいなあと思ったことがきっかけでした。
スポンジケーキのようなおもちゃの土台のケーキがあって、誕生月の子どもたちが好きなものを飾っていいんです。ミニカーなどの自動車を飾る子もいるみたいで(笑)。完成したケーキはその日一日飾られていて、お迎えにいくと「○○ちゃんのケーキだよ」と教えてくれる。そうか、バースデーケーキって食べるのもうれしいけど、自分たちで作るのもきっとおもしろいんだなと思ってこのお話が生まれました。
───おもしろいですね!
絵本では、ぴよちゃんのお母さんが作った「はこべのはっぱのケーキ」にお友達のプレゼント・・・クローバーやすぐりの実をのせていくと、最後においしそうなバースデーケーキができあがり!
そういえば『ぴよちゃんのありがとう』で登場するピクニックのおべんとうもとってもおいしそうですよね。
このシリーズではぴよちゃんと植物のふれあいがたくさん描かれていますが、どのようにして描く草花を選んでいるんですか?
そうですね・・・。まず言えるのは、架空の植物ではなく、身近にある草花を描いていることです。それがぴよちゃんを身近に感じてもらうことにつながると思っています。ぴよちゃんの世界は、私たちが生きる世界と同じ世界ですから。
息子たちと公園へ行くのは、最高の観察タイムになります。たとえば世田谷にある砧公園は植物の種類が豊富でいいですよ。
内心「ネタもってこい!」とばかりに(笑)子どもたちを自由に遊ばせながら、どんな葉っぱを手に取るかな、何に興味をもつかな、どんなものを拾ったりちぎったりして親に見せにもってくるかなと注意して見ています。チョイスする力は子どものほうが圧倒的にありますから。
一方で自分がぴよちゃんになったつもりで、ぴよちゃんの目線から見たらこの葉っぱの形はスプーンになるだろうか、傘になるかななどと考えたりします。