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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  小児科を受診する前に。親子で読みたい「あいうえお」絵本!『からだ♡あいうえお』 吉澤穣治さん インタビュー

病院に来る子どもに関わりのある、身近な話題を紹介しています。

───「あいうえお絵本」の形式にすることもはじめから決めていたのですか?

ストーリーのあるものだと病院の用語をたくさん説明するのが難しいので、ひとつずつ並べていくのが良いということになりました。図鑑とも違う形で病院や体のことを紹介するような本にしたかったので、「あ」から順に言葉を紹介できる「あいうえお絵本」にすることになりました。
はじめは、小学校の英語教育を考えて、ABCの絵本も考えていました。「A」の「アレルギー」など、なかなかいいなと思っていたのですが、ひらがなは小さな子どもにも分かりやすいですね。

───「あいうえお」にあてはめる言葉はどのように決めていったのでしょうか?

たとえば、「に」は「尿(にょう)」ですが…。子どもにとっては「おしっこ」がなじみ深いのですが、病院では「尿検査」と「尿」をよく使いますよね。病院で使われる言葉に触れるという意味で「にょう」という言葉を選びました。

───子ども向けに、聴診器を「“もしもし”しようね」という言葉で言ったり、注射を「“ちっくん”するよ」という単語で表現したりすると思いますが、「ち」の「ちょうしんき」など、大人がつかう言葉で紹介していますね。

はい。子ども向けといっても、実際の言葉、現実に即した言葉を取り入れるようにしています。勉強してもらうという要素を含めて、より興味を持ってもらうという狙いもあります。

───「にょう」の「にょうを しらべるだけで、からだが げんきか どうかが わかるんだって。」など、説明の文も、吉澤先生が作られているのでしょうか?

文章は、中川ひろたかさんが、絵本的に嚙み砕いて子どもたちにわかりやすい言葉にしてくれました。単語はひとつの文字ごとに候補を複数だして、そこから文章が表現しやすく、リズムが良くなるものを、中川さんがセレクトしてくださっています。

───中川ひろたかさんとは、話し合いながら進めていったのでしょうか?

何回かお会いして、打ち合わせました。「ちょっとダジャレが多すぎなんじゃないの?」なんて、話をしたり(笑)。中川さんは非常にリズム感を重視して考えてくださいましたね。僕としては当初、もっと、ほわんとした可愛らしい感じをイメージしていたんですが、出来上がった文章は、読むと心に残るインパクトがあって、とても良いですね。

───この単語はどうしても入れたかった、というものはありますか?

そうですね…、「うんちは げんきの バロメーター」は絶対盛り込みたかったです。僕らは消化器を診ることが多いのですが、今の子どもは、便秘の子がすごく多いんです。絵にも描いてありますが、便秘と、いいうんち、下痢便、コロコロの固い便など、きちんと知ってほしいと思っていたので、外せませんね。「えいよう とると からだに ええよう!」も、健康と食育を考えて入れています。

───そのほかに単語のセレクトで意識したことなどはありますか?

50音にあてはめられるものを選んだということもありますが(笑)、「ねっちゅうしょう(熱中症)」など、小さい子でも知っておいてほしいというものは入れています。「レントゲン」や「ますい(麻酔)」も、子どもたちにとって身近なものなので、入れたかった言葉ですね。ケガをして傷を縫うときなど、麻酔をすると痛くなくなるんだということを、「ほら、絵本にあったでしょ、あれだよ。」と親御さんが伝えることで安心に繋がればと思って選んでいます。

───「ぬりぐすり」の説明で「ぬりぐすりは ぬるくすり。けっしてなめてはいけません。」とありますが、実際になめてしまう子がいたのかなと想像してしまいました。

なめますねぇ。よくある日常です(笑)。あとは、「く」の「くすりは ただしく のみましょう」では、お薬が嫌な子もいるので、お薬が飲めるように、などは意識しています。そのほかも、病院に来る子どもに関わりのある、身近な話題を絵本で紹介しています。
転んでケガをしたときの救急処置も、むやみに薬をつけずにとにかく水で洗ってくださいという、最近の治療のトレンドも入れています。

───お医者さんの原案ならではの情報が盛り込まれているんですね。

間違ったことが絵本から伝わっては困りますから、安心して実生活に活用できるように、注意しています。

───佐々木一澄さんの絵が、どのページもとても楽しくてかわいいですね。絵が出来上がってきたときの印象はいかがでしたか?

パッと目をひいて、印象に残る絵で、すごく良いと思いました。どのような絵にするかはお任せしていたのですが、肝臓の絵がビールを飲んでいたのは意外でしたね(笑)。絵本でビールの絵は大丈夫かなと思いましたが、パパママが飲みすぎていたときに子どもがこの絵本を見せて「ダメよ」って言ってくれたらいいんじゃないかと、いうことになりました。

───内臓や体の絵について、話し合われた部分はありますか?

肺の絵は、血の流れと酸素がどうやって体中にいくのかの表現が難しくて、少し変えてもらいました。最終的にとてもいいイメージの絵になったと思います。
絵もひとつひとつが印象的で、言葉のリズムも良いので、かるたにもいいなと思います。僕の出張先の高齢者向けの介護施設でも、この絵本からかるたを作って遊んでくれているそうです。

───それは、楽しそうですね!

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吉澤 穣治(よしざわじょうじ)

  • 1961年、東京生まれ、東京慈恵会医科大学小児外科診療医長。専門は小児外科・小児泌尿器科。傷跡が目立たない小児内視鏡外科手術・小児ヘルニア手術の名医とされる。子どもたちの元気な笑顔を守るためにできることは何かを日々考え、活動している。

作品紹介

からだ・あいうえお
文:中川 ひろたか
絵:佐々木 一澄
原案:吉澤 穣治
出版社:保育社
全ページためしよみ
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