無垢な山男が見た奇妙な夢
作: 宮沢 賢治 / 絵: 飯野 和好
山男は仰向けになって、碧いあおい空をながめました。その澄み切った碧いそらをふわふわうるんだ雲が、あてもなく東の方へ飛んで行きました。そのときに山男は、なんだかむやみに足とあたまが軽くなって、逆さまに空気のなかにうかぶような、へんな気もちになりました。さて、そのあと、山男にどんなことがおこったか。それはそれは、なんとも奇妙で摩訶不思議なできごとでありました。生前刊行の童話集『注文の多い料理店』に収録された夢物語を、飯野和好がとぼけたあたたかさのある水彩画で描く。
2コメント
この絵本で初めて読んだ作品でしたが、とにかく奇妙で不思議なお話でした。
途中で出てくる中国人、六神丸、もう怪しさ満点!
賢治の生きていた頃から、中国人ってこんな喋り方だったんですね〜。
当時の時代背景が垣間見える興味深い作品です。
飯野和好さんの迫力満点の挿絵も見どころです!
MYHOUSEさん
日当たりのいい枯れ芝の上に寝ころんで、流れる雲をながめていた山男は、いつの間にか眠ってしまったようです。うっかり六神丸という怪しげな薬をのんでしまい、次々と不思議な体験をして、走って逃げようとしても足が空回り。夢から目覚めて安堵したことでしょう。
#宮沢賢治
みいのさん