もこもこの白い毛に、きょとんとした目と黒い顔。
かわいいけれどいたずら好きのメイクは、思いついたらそれをせずにはいられない、困り者でした。
ある日、オオカミの毛皮を手にいれたメイクは、それをかぶってイタズラ放題!
おびえて逃げまどう仲間たちのようすがおかしくってしかたがない彼は、だんだんと調子にのってしまい——
なんと、いちばんの友だちのモックが、メイクのせいで大ケガをしてしまいます。
すなおに謝ることもできず、群れから追い出されてしまうメイク。
そんな彼が偶然見つけたのは、仲間たちを狙う、本物のオオカミの群れでした。
メイクは仲間を救うため、オオカミの毛皮で変装して彼らの前に立ちはだかりますが——
手に汗握る緊張感と、先の読めないドキドキの展開がみどころ!
今にも作戦がバレて、食べられてしまうかもしれない……
そんなギリギリの状況を、ごまかしごまかししているうちに、どんどんピンチに陥るメイク。
いったいこの絶望的な状態から、どうやって仲間を救い、逃げおおせるというのでしょう?
怖いと感じる心を押しころして、勇気をふりしぼり、絶体絶命のピンチのなかで、とっさのヒラメキに賭ける!
知恵と勇気をふりしぼって奮闘するメイクの活躍に、思わず息を止めて見入ってしまいました。
かわいらしくって教訓に富んだ、あたらしい童話の誕生です。
(堀井拓馬 小説家)
続きを読む
「ちょっと、からかっただけじゃないか」
いたずら好きのひつじのメイクは、おおかみの毛皮を着て仲間をおどろかせ、けがをさせてしまいます。
「でていってもらうしかあるまい」
むれを追いだされてしまったメイクでしたが、ぐうぜんにも本物のおおかみたちの恐ろしいたくらみを聞いてしまいます。
「くらくなったら、いっぴきのこらず…」
驚いたメイクは、仲間をすくうために、かくごを決めておおかみたちの前におどりでますが……。
おおかみの皮をかぶっていたずらをし、
むれを追いだされてしまったひつじのメイクと、
お腹を空かせたおおかみたちのユーモラスなお話です。
続きを読む