「ぼくにはずっと黙っていたことがある」
大人が異変に気づき、絶望の淵から救われた子どもたちがいる。
激化するいじめの中で生と死をわけたものは何か。
日本テレビの報道記者、キャスターとして長く教育問題を取材してきた著者が
大人にできることを探る。
微弱なSOSに大人が気づくための「11のきっかけ」。
子どもがいじめを告白した時、親にも実践できる「カウンセリングマインド」。
いじめは「笑いがとれる」という加害側少年の心理と、
その背景に見え隠れする、加害側の親の影響にも斬りこむ。
「いじめサバイバー」の言葉に耳を傾け続けた著者が見出した、
子どもに「明日の希望」を与えるための糸口。
[目次]
はじめに
第一章 いじめの現場をおさえた父
長男に起きた異変=^くしゃくしゃの一万円札/十か月に及んだいじめ
SOSは、微弱電波のように/気づいたサイン、気づかなかったサイン
ぼくが死ななかった理由/「学校、休むか」で開けた世界
第二章 この言葉に救われた
いじめられた子の心は/あなたは命がけで生まれてきた/家族がぼくの命綱
精神科病院で過ごした、不登校時代/あなたは、あなたのままでいい
スクールカウンセラーの相談室の中で/学校に行かなくていい、では足りない
震災でいっぱい死んだから、生きると決めた/津波で失った友
第三章 なぜ、大人に話さないの
絶対話さないのには、わけがある/母娘を近づけた「ハグチケット」
ぼくが絶望した先生の一言/「先回りの育児」がもたらすもの
父と始めた交換日記/子どもを見守る、第三者の目
最期まで言わなかった、自分へのいじめ/今なら絶対、死なせない
第四章 いじめる心の奥にあるもの
初めて証言台で語られたこと/始まりは「仲間」の「遊び」
「性的いじめ」が追いつめる/いじめは「笑いがとれる」という少年
「いじり」と「いじめ」の境界線/いじめないと、いじめられる
同調圧力を克服する「コップの授業」/大人の差別意識は子どもに伝染する
暴力を肯定する大人たち/愛情は、足りているか
第五章 子どもたちは知っている
助けられなかった、親友/体育祭の夜の告白/ぼくは席を立てなかった
LINEで伝えた、「死ぬ準備」/ネットとリアル教室とのギャップ
ひとすじの涙
第六章 いじめから抜け出す
いじめを許さない集団をつくる/教師の感度、という問題
今、ここにある「いじめ」/いじめへの対応力を、評価する
いじめていない、という子には/教師の本業を見極める
スマホで匿名通報、は機能するか/「いじめ認知件数ナンバー1」のアンケート
第七章 親でも実践できるカウンセリングマインド
子どもの変化に気づく、十一のきっかけ/大人の視界から消える「ネットいじめ」
カウンセリングマインドは難しくない/自分を守る力を育てる
親が、まず自分を愛する
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