「ゆき ふらないかなあ……」
雪のふらないクリスマスなんて、プレゼントのないクリスマスみたい。そう言って窓の外を眺めていたリュシーと弟のユリスに、パパがリボンのついた箱を持ってきます。アイスランドのおばあさんからプレゼントです。
「わあ、すごーい! スノードームだ!」
スノードームの中には小さなおうち。自分たちの家そっくりです。その夜、なかなか眠れなかったリュシーは、枕元に置いたスノードームをふってみます。すると、冷たくて、羽よりも軽いものがほっぺにまいおりてきたのです。これってもしかして……?
雪に憧れるきょうだい、リュシーとユリスに訪れたクリスマス前日の不思議なできごとを描くこの絵本。まっしろな雪景色になったお部屋の素敵なこと! 階段でソリ遊び、キッチンでは雪のアイス、リビングで雪合戦。子どもたちの想像はどこまでも広がります。おさえた色味の中で効果的に浮かび上がる赤、丁寧でリアルな描写だけれど、どこまでもファンタジックな世界。『すなのたね』の作者シビル・ドラクロワが、今度はクリスマスをテーマにした絵本で、子どもの小さな願いごとに寄りそってくれています。今回も翻訳は石津ちひろさんです。
クリスマスを楽しみに待つ子どもたちみんなに、素敵な夜が訪れますように。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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ふたりのきょうだい、リュシーとユリスに訪れたクリスマス前日のふしぎなできごと。それはアイスランドのおばさんから届いたプレゼントの小包みを開けたところから始まりました。箱の中にはスノードームが入っていましたが、ふしぎなことにそのドームの中のおうちは自分たちのおうちにそっくりなのです。その夜リュシーがスノードームをふってみるとドームの中の雪が舞い上がり……。お部屋の中がまっしろの雪景色に! ファンタジックなストーリーがクリスマスにぴったりで子どもの想像力を育む一冊。翻訳を手掛けられるのは、『なぞなぞのたび』(フレーベル館)で1999年にボローニャ児童図書展絵本賞、『あしたうちにねこがくるの』(講談社)で2001年に日本絵本賞受賞された絵本作家で詩人、翻訳家の石津ちひろさん。豊かな言葉の世界とやわらかな絵が融合した注目作です。
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