先日開催したEXPO 2025 大阪・関西万博は
世界中から158の国と地域の人たちが参加しているそうです。
万博にしろオリンピックにしろ、世界がひとつになる一大イベントですから
多くの国が参加することは喜ばしいですが、
今回の万博でいえばロシアが不参加ですし、ギリシャも参加できなかったようです。
国連での議事にしろ世界がひとつになるというのは理想ではありますが、
決して容易なことではありません。
まして、今でも戦火の下で暮らす人たちもたくさんいます。
国の都合、大人たちのかけひきで犠牲になる子供たちもたくさんいます。
万博は華やかなイベントですが、
それをきっかけにしてそういった視点で世界を見直すのもいいように思います。
吉田尚令(ひさのり)さんの『このほしのこども』も
そういう強いメッセージ性をもった絵本です。
冒頭、色調の暗い絵にこんな文がつけられます。
「このせかいのあちこちで/あまりにひどいことばかり/(中略)/このひとたちがどうして?」
戦火の中を逃げる一家。小さなぬいぐるみを抱いて泣く女の子。
平和なこの国とそういう戦火や荒れた国の子供たちとは、
何一つ変わらない「おなじそらのした」でつながっている「このほしのこどもたち」。
そして、吉田さんはこう呼びかけます。
「たのしいせかいをそうぞうしよう」と。
それは、ごくあたりまえに普通の生活。
みんなが一緒にして、安心して眠りにつける、そんな生活。
一人ひとりが、そんな世界を想像することで、
このほしは随分とよくなるのではないだろうか。