著者の実体験を基にしているだけに、戦争というものに、言いようのない怒りと悲しみを感じる作品でした。
どうして敏子さんはこのような苦しみを背負わなければいけなかったのでしょう。
東京大空襲で母と妹たちは行方不明になりました。
生き残っていた父親も、これからの新しい生活を目前に、敏子さんの目前で機銃掃射で生命を失います。
著者の不幸の上に、様々な人間関係の醜さが覆いかぶさります。
全て戦争のせいでしょう。
戦争は、あるべき日常の脆さを浮き彫りにしてしまいました。
こんなことを繰り返さないためにも、喉もたちに読みつがれなければいけない作品だと思います。