ホロコースト行きから逃れることのできた人の実話と知って、その重さにたじろぎました。
ユダヤ人の彼らにとって、明日はどうなるかもしれないという1日1日を、彼らは壮絶な思いで生きてきたのでしょう。
ナチスに捕まり収容所に入れられても、彼らは生きるためにもがき続けました。
ホロコースト列車からの生還は、必死な行動力と、偶然ともいえる運によって導き出されたのです。
この絵本のカバーは、数え切れない人の顔で埋め尽くされています。
作品の中でも、ぎっしりと人が描かれています。
そのほとんどが生きて戻れなかった人だという重圧が、この絵本を美談には終わらせません。
生きのびて生還できた人を称えつつ、犠牲になった多くの人への追悼を考えた時に、今の世界の争いの中にある「ONE DAY」に思いを重ねました。