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絵本紹介

2022.05.24

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山岳民族シェルパへ感謝の気持ちを込めて描いた『シェルパのポルパ エベレストにのぼる』<ブランニュープラチナブック>

ヒマラヤ登山の縁の下の力持ち、シェルパの人びとに注目した新しい冒険絵本

  • シェルパのポルパ エベレストにのぼる

    みどころ

    『富士山にのぼる』などの重厚な山岳作品の多い石川直樹さんが、ヒマラヤ登山に欠かせない山岳民族シェルパの姿を感謝の気持ちを込めて描いた、山を登る過酷さを乗り越え、その頂に立った達成感を体感できる作品です。

    ヒマラヤの麓で生まれ、毎日ヒマラヤを眺めて育った少年・ポルパ。ポルパは、ヒマラヤの山々に登るという夢のために、毎日思い荷物を背負って運ぶ、荷物運びの仕事をしていました。でもポルパが1人で行けるのは、氷河の入口まで。
    いつかこのさきにいきたい、いきたい、いきたいなあ。

    その夢が、遂に叶う日がやってきました!
    ポルパはテンジンおじさんたちにシェルパとして必要なことを教えてもらいながら、エベレストの山頂まで同行することになったのです。
    ご存じの通り、エベレストは標高8849mもある世界一高い山。登山も一筋縄ではいきません。

    富士山よりも2000mも高い標高5364mでのベースキャンプ作りに、危険な氷河越え。重い装備を身につけ、様々な道具とテクニックを駆使して、ようやく氷河を越えた後も、数々の難所がホルパを待ち受けています。「はーっ はーっ ふーっ」と何度も繰り返されるポルパ少年の呼吸音に、その過酷さが体感できるでしょう。

    まさに命懸けの困難を乗り越えて、ようやく立つことができる山頂。「ここより高い場所はどこにもない!」という場所から眺める景色は、その見え方や、鳥たちの飛ぶ様子、太陽の温かさなど、見どころがいっぱいです。そしてなによりも心に響くのが、ホルパの努力が報われた瞬間。ガイドとして認められた時の喜び、自分の足で山頂に立った感動、危険な道を下山しベースキャンプに戻ってきた安堵感の様子など、ホルパの喜びを自分のことのように感じることができます。

    「シェルパのポルパ」シリーズは、『シェルパのポルパ 冬虫夏草とおおきなヤク』、『シェルパのポルパ 火星の山にのぼる』へと続きます。ヤクのおはなしも気になりますが、「火星」っていったい!? ホルパの冒険譚が楽しみですね。
    (中村康子 子どもの本コーディネーター)

この書籍を作った人

石川 直樹

石川 直樹 (いしかわなおき)

1977年東京生まれ。高校2年生のときにインド・ネパールへ一人旅に出て以来、2000年に北極から南極まで人力で踏破するPole to Poleプロジェクトに参加。翌2001年には、七大陸最高峰登頂に成功。その後も世界を絶えず歩き続けながら作品を発表している。その関心の対象は、人類学、民俗学など、幅広い領域に及ぶ。著書、写真集多数。2011年、土門拳賞受賞。

この書籍を作った人

「シェルパのポルパ」シリーズ

レビュー紹介

絵だけを見ていくと想像力が豊かになるのかな。 受賞レビュー

ヒマラヤの麓の村にうまれ、毎日ヒマラヤを見て育ったシェルパのポルパ。
ヒマラヤのやまに登るという夢のため重い荷物を運ぶしごとをしている。
とうとうヒマラヤに登るチャンスがやってきた!
はじめは私ひとりで読んでいたのですが、2歳の息子が「ぼくもよむ?」と来たので、今度は絵をよくながめながら読みました。
すると、1度目よりも吹雪の中を歩いたり、真っ暗な中ロープと仲間をたよりに進む様子や、山の力強い風景、そしてヒマラヤのような山に登らなければ見ることのできない景色にじんわりとこころが動きました。
ポルパは何歳くらいなのでしょう?
夢は大きな力を生むことや、人への信頼や感謝などいろんなことに想いがめぐりました。

(もけこさん)

エベレスト街道へ気持ちが羽ばたきます

あこがれの世界に一歩踏み出すポルパの心の動き、目標を達成するポルパのけなげな努力に励まされます。

エベレスト登山への手はずは、写真家で登山家でもある作者の石川直樹さんならでは。縦見開きいっぱいに描かれたエベレストへの詳細なルートは子どもと一緒に大人も指でたどって楽しめます。

そしてコロナ禍で旅をするのが難しい今、梨木羊さんの細やかな優しい絵が、エベレスト街道を彷彿させてくれます。

シェルパの活動は地味ですが、その丁寧な仕事ぶりは子育て中のパパママの役割に似ているなと思いました。子育ても山登りも、いきなり頂上へはたどり着けません。一歩一歩、一日一日の積み重ねがいつか必ずくる子どもの成長につながります。パパママへのエールにもなる絵本です。

(こじこじこじろうさん)

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