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《スペシャルコンテンツ》インタビュー

2012.12.06

『どっちがへん?スペシャル』
いわいとしおさんインタビュー

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『どっちがへん?スペシャル』いわいとしおさんインタビュー

いわいさんちへようこそ!』で楽しいおもちゃ作りや遊びの様子が注目されたいわいとしおさん。実は国内外のメディアアートの世界ではものすごい方なのです!(絵本ナビのカナガキ事務局長もいわいさんの著書『アイデアはどこからやってくる?』を愛読中)
いわいさんといえば、2006年に初めての絵本『どっちがへん?』『どっちがピンチ?』『どっちがどっち?』の3冊シリーズを出版後、続いて描いた『100かいだてのいえ』『ちか100かいだてのいえ』がベストセラーとなりました。このたび「どっちが?絵本」シリーズの続編ともいえる『どっちがへん?スペシャル』を出版。なぜ“スペシャル”バージョンを作ることになったのか、カナガキがお話を伺います!

どっちがへん? スペシャル
作:いわい としお
出版社:紀伊国屋書店

並んだ2つの絵は、とてもよく似ていますが、よく見るとどちらかがとても 変。どっちがへん?どこがへん?どうしてへん? 2つの絵を見たとたん、子ど もたちの頭脳は動き出し、感性が解き放たれます。どっちがへんかって、それは 見ればわかるんですが、そのへんな加減がなんとも楽しいのです。

“セルフ・リメイク”試してみたい

───初めての絵本『どっちがへん?』の出版のきっかけは何だったのですか?

フォトエッセイ『いわいさんちへようこそ!』 が発売されたあとに展覧会をやることになったのですが、“出版記念”というにはタイミングが遅れてしまったので、来てくださる方に何か新しいものを見せたいなと、急遽ノベルティ的に作ったのが『どっちがへん?』だったんです。ある日外出先で退屈してしまった娘のために、その場で考えついた遊びを、絵本にしたものでした。

───文字がない、手のひらサイズの本ですね。「どっちがへん♪どっちがどっちがへん♪」と歌いながら、子どもといっしょにぱっと開く。「さあ、どっちがへん?」「こっち!」とイラストを指差す遊びが楽しい!こんな絵本があるのかと思いました。

展示期間中それが好評だったので、後で絵本として正式に出版することになりました。1冊だけでは本屋さんで存在感が薄いので、半年後に『どっちがピンチ?』『どっちがどっち?』と、3冊組になるような箱のセットも作りました。
本の構造を存分にいかしたおもしろいネタだ!と自分では思っていたのですが・・・その後の『100かいだてのいえ』『ちか100かいだてのいえ』の売れ行きと比べるとずいぶん世間で存在感が薄かったなと(笑)。 
 

───「本の構造を存分にいかした」とは?

本は、開くと右と左に同じサイズの四角いページが広がりますよね。必ず左右対称。これが1つめです。
2つめは、どこからでも開ける、ランダムにアクセスできるということです。コンピューターの画面ではこうはいきません。

───なるほど。どこからでも開いて遊べますものね。見返しには4コマ漫画風に「あそびかた」が描いてありますが。

いわば「取扱説明書」を見返しにつけたわけです。でもね、説明書つきの絵本なんてスマートじゃないな、というのがここ数年の経験でわかってきました。たとえば僕がこの絵本が開かれるところ、どこへでもついていって、これはね、こうやってあそぶんだよ!と実演してみせれば、この本のおもしろさをもっとわかってもらえるかもしれない。でも現実にそんなことはできませんからね。

───いわいさんはメディアアーティスト。絵本はあまり身近ではなかったのですか?

どちらかというとハイテクな世界で仕事をしてきました。テレビ番組のCGキャラクターをデザインしたり、コンピューターのプログラミングから手がけていろんなソフトを作ったり・・・“TENORI-ON(テノリオン)”という光と音を奏でる新しいコンセプトのデジタル楽器を作ったり。
子どもの頃のことをいうと、上に姉が3人いて、一人だけ歳の離れた男の子だったこともあって一人遊びが好きでした。保育園の頃に「こどものとも」(福音館書店の月刊絵本シリーズ)を買ってもらっていて、絵本は大好きだったんですが、読み聞かせをしてもらった記憶がないんです。文字を覚えるのが早かったみたいで、一人で読んでいたんじゃないかな。それもあって、『100かいだてのいえ』は、一人でじっくり向き合って楽しむ絵本として「読み聞かせされること」をまったく想定せずに作ってしまいました。だから出版後に「『100かいだてのいえ』を読み聞かせしています」とみなさんから言われて、慌てたんです。「え!?縦開きで読み聞かせは考えてなかったんだけど!?」「あんなに細かい絵本をどうやって読み聞かせるんだ!?」と(笑)。
一方で『100かいだてのいえ』や『ちか100かいだてのいえ』が受け入れられていく状況に感動もしました。熱気というか・・・絵本を読んで終わりでなく、子どもたちが自分の「100かいだてのいえ」の絵を描いて遊んでくれたりする。これが絵本というメディアなのか、絵本ってすごい!と思いました。

(――以前、絵本ナビでもワークショップを取材させていただいたことがありました。過去のインタビューページはこちら>> 

そうしてしばらく経って「どっちが?絵本」シリーズをあらためて振り返ってみたときに、反省点や試したいことがいろいろ出てきたんです。絵本には素人だった僕が、ここ数年で絵本というメディアを再体験して、わかったこと、おもしろいと思ったことがいっぱいあった。その今の僕と「どっちが?絵本」シリーズの間の段差というか、「ギャップ」をぜんぶ埋めてみたい、埋めてやろう!と思ったんです。

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いわい としお(いわいとしお)

  • 1962年生まれ。メディアアーティスト。子どものころに母親から「もうおもちゃは買いません」と言われ、代わりに工作の道具や材料を与えられたことからものづくりに目覚める。1985年、筑波大学芸術専門学群在学中に、第17回現代日本美術展大賞を最年少で受賞。その後、国内外の多くの美術展に、観客が参加できるインタラクティブな作品を発表し、注目を集める。テレビ番組『ウゴウゴルーガ』、三鷹の森ジブリ美術館の映像展示『トトロぴょんぴょん』『上昇海流』や、ニンテンドーDSのアートソフト『エレクトロプランクトン』、ヤマハと共同開発した音と光を奏でる楽器『TENORI-ON』なども手がける。2007年、NHK教育の幼児番組『いないいないばぁっ!』でオープニングアニメーションを担当。著書に『いわいさんちへようこそ!』『いわいさんのどっちが?絵本』『いわいさんちのリベットくん』(以上、紀伊國屋書店)、『100かいだてのいえ』『ちか100かいだてのいえ』(以上、偕成社)、『光のえんぴつ、時間の粘土――図工とメディアをつなぐ特別授業』(美術出版社)、『アイデアはどこからやってくる?』(河出書房新社)などがある。

作品紹介

どっちがへん? スペシャル
作:いわい としお
出版社:紀伊国屋書店
どっちがへん?
作・絵:岩井 俊雄
出版社:紀伊国屋書店
どっちがピンチ?
作・絵:岩井 俊雄
出版社:紀伊国屋書店
どっちがどっち?
作・絵:岩井 俊雄
出版社:紀伊国屋書店
いわいさんちのどっちが?絵本(3冊セット)
作・絵:岩井 俊雄
出版社:紀伊国屋書店
いわいさんちへようこそ!
作・絵:岩井俊雄
出版社:紀伊国屋書店
100かいだてのいえ
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作:いわい としお
出版社:偕成社
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